ドライブレコーダー取り付け位置の教科書|法的基準と失敗しないコツ | のいぼうラボ
ドライブレコーダー取り付け位置の教科書|法的基準と失敗しないコツ

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ドライブレコーダー取り付け位置の教科書|法的基準と失敗しないコツ

 

ドライブレコーダーの導入を考えたとき、多くの方が「どこに取り付けるのがベストなのか?」という疑問に直面します。

そもそもドライブレコーダーって何ですか?という基本的な問いから、その取り付け位置は法規で決まっているのか、具体的な規制はあるのか、といった専門的な内容まで、知りたいことは多岐にわたるでしょう。

 

巷でよく聞く、正しい取り付け位置と助手席側をおすすめする理由についても、その根拠をしっかり理解したいところです。

特に基本となるフロントガラスへの取り付け位置、さらには運転席や助手席の取り付け位置と注意点について知ることは、安全運転に直結します。

 

また、後ろやダッシュボードへの取り付け位置はどうなのか、左右や真ん中の取り付け位置で変わる撮影範囲の違いは何か、といった細かい点も気になります。

最終的に、おすすめのドラレコ取り付け位置はここ、と自信を持って言える場所を知り、ドラレコ取り付け位置でよくある失敗を避けることが、後悔しないための鍵となります。

この記事では、それらの疑問に専門的かつ分かりやすくお答えします。

 

記事のポイント

  • ドライブレコーダー取り付けの法的基準
  • 安全と性能を両立する最適な取り付け場所
  • フロント・リア・ダッシュボード設置時の注意点
  • 取り付けで失敗しないための具体的なコツ

 

 

目次

ドライブレコーダー取り付け位置の基本と法律

ドライブレコーダー取り付け位置の基本と法律


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この章では、ドライブレコーダーの取り付けに関する基礎知識と、車検にも関わる法律上のルールを解説します。

安全な視界を確保するための法規や、正しい取り付け位置の考え方を知りたい方はぜひ参考にしてください。

 

ポイント

  • そもそもドライブレコーダーって何ですか?
  • 取り付け位置は法規で決まっている?規制は?
  • 正しい取り付け位置と助手席側をおすすめする理由
  • フロントガラスへの基本的な取り付け位置
  • 運転席・助手席の取り付け位置と注意点

 

そもそもドライブレコーダーって何ですか?

そもそもドライブレコーダーって何ですか?


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ドライブレコーダーとは、自動車に設置して走行中の映像や音声を自動的に記録する装置のことです。

多くのモデルは、エンジンの始動と連動して自動で録画を開始し、SDカードなどの記録媒体にデータを保存していきます。

主な目的は、万が一の交通事故が発生した際に、その状況を客観的な証拠として記録することにあります。

 

事故の瞬間だけでなく、その前後の映像も連続して記録されるため、信号の色や一時停止の有無、車線の状況といった交通環境全体を、人間の記憶よりも正確に残すことが可能です。

これにより、当事者間の意見が食い違うような場面でも、映像が円滑な状況把握のための重要な判断材料となり得ます。

 

近年では、単なる事故記録装置としての役割を超え、その機能は大きく多様化しています。

例えば、多くの機種に搭載されている「駐車監視機能」は、エンジン停止後も車両への衝撃や動きを検知して録画を開始するもので、当て逃げや車上荒らし対策として非常に有効です。

また、GPSを搭載したモデルであれば、走行ルートや速度も映像と同期して記録できるため、美しい風景を記録する旅の思い出ツールとしても活用できます。

 

さらに、自身の運転を後から見返すことで、急ブレーキや急ハンドルといった無意識の癖に気づき、安全運転意識の向上につなげるという使い方も考えられます。

 

JAF(日本自動車連盟)によると、ドライブレコーダーの映像は事故の過失割合を判断する際の参考資料として活用されるケースが増えており、円滑な事故処理に貢献する重要な機器として認識されています。(出典:JAF クルマ何でも質問箱

 

このように、ドライブレコーダーは現代のカーライフにおいて、もしもの時の「お守り」として機能するだけでなく、日々の安全運転を支え、時にはカーライフをより豊かにするパートナーとして、非常に有効な装置と言えるでしょう。

 

取り付け位置は法規で決まっている?規制は?

取り付け位置は法規で決まっている?規制は?


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ドライブレコーダーのフロントガラスへの取り付け位置は、個人の好みで自由に決められるものではなく、法律によって厳格に定められています。

これは、運転者の視界をいかなる状況でも最大限確保し、安全運転を維持するための極めて重要なルールです。

小さな機器であっても、位置によっては死角を生み出し、歩行者や自転車の発見を遅らせる原因になり得るためです。

 

具体的には、国土交通省が定める「道路運送車両の保安基準」および、その詳細を定めた「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示」において、フロントガラスに装着できるものとその位置が細かく規定されています。

この基準に適合しない取り付けは「不正改造」と見なされ、公道を走行するための自動車検査登録制度、いわゆる車検に通らない可能性があります。

 

主な規制内容は、以下の通りです。

 

1:ガラス開口部の上縁から20%以内の範囲

これは最も広く知られている基準です。

フロントガラスのガラス部分(黒いセラミックプリントなどを除いた、実際に透けて見える部分)の縦の長さを測定し、その上縁から20%(5分の1)以内の範囲であれば、取り付けが許可されています。

 

2:ルームミラー(バックミラー)によって隠れる範囲

運転席から見て、ルームミラーの裏側に完全に隠れる場所への設置も認められています。

このエリアは元々運転者の視界から遮蔽されているため、新たに取り付け物を設置しても安全運転への影響が少ないと判断されるためです。

多くの製品がこの場所への設置を推奨しています。

 

3:ガラス開口部の下縁から150mm以内の範囲

もう一つの選択肢として、フロントガラスの下縁から150mm(15cm)以内の範囲への取り付けも許可されています。

ただし、この位置はダッシュボードからの熱の影響を受けやすかったり、車種によっては視界に入りやすかったりするため、選択する際には注意が必要です。

ドライブレコーダーのフロントガラスへの取り付け位置


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これらの規定は、カメラが運転者の視界を少しでも妨げることを防ぐために設けられています。

言ってしまえば、法律は安全運転のための最低限のルールを定めているわけであり、これを遵守することが、すべてのドライバーに求められる責務と言えるでしょう。

 

正しい取り付け位置と助手席側をおすすめする理由

正しい取り付け位置と助手席側をおすすめする理由


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「正しい取り付け位置」とは、前述の法規を満たすという最低限の条件をクリアした上で、さらにドライブレコーダーの性能を最大限に発揮させ、かつ車両の他の安全機能を損なわない場所を指します。

つまり、①法的適合性、②機能性、③安全性の3つの要素を高いレベルで満たす必要があります。

多くの専門家やメーカーが助手席側への取り付けを推奨するには、この3つの要素をバランス良く満たす明確な理由が存在します。

 

運転視界の確保

最も大きな理由は、運転者の視界の妨げに最もなりにくいことです。

運転席から対角線上に位置する助手席側上部は、物理的に運転者の視線から最も遠い場所の一つです。

これにより、機器本体が視界の主要な部分を占めることを防ぎ、圧迫感を軽減できます。

特に、交差点での右左折時など、広範囲の安全確認が求められる場面で、新たな死角を生み出すリスクを最小限に抑えることは極めて重要です。

 

安全性の向上

運転中に機器の存在が過度に気になると、注意力が散漫になる可能性があります。

助手席側であれば、運転者の視野の中心から外れるため、走行中に本体やモニター表示が意識に入りにくく、運転に集中できます。

特に画面付きのモデルの場合、運転席側に設置されていると、夜間に画面の光が気になったり、表示される映像に無意識に視線を奪われたりすることも考えられます。

また、機器の操作ボタンに手が届きにくい位置にあることは、裏を返せば走行中の安易な操作を防ぐことにも繋がり、安全性を高める要因となります。

 

撮影範囲と性能のバランス

理想を言えば、カメラは車両の中心線上に設置するのが最も左右均等な映像を撮影できます。

しかし、その位置にはルームミラーや先進運転支援システムのセンサーユニットが設置されていることがほとんどです。

助手席側に少しずらして設置することで、これらの重要機器との干渉を避けつつ、近年の広角レンズの性能を活かして、実用上十分な範囲をカバーすることが可能になります。

これは、完璧な左右対称の映像よりも、安全性を優先し、かつ確実に記録を残すという実用的な観点からの最適な妥協点と言えるでしょう。

 

これらの理由から、多くの車種において助手席側への設置が推奨されています。

ただし、これはあくまで一般的な見解であり、最終的にはご自身の車の取扱説明書でセンサー類の位置を確認し、実際に運転席に座って視界を確認しながら、最適な場所を見つけ出すことが大切です。

 

フロントガラスへの基本的な取り付け位置

フロントガラスへの基本的な取り付け位置


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フロントガラスへの取り付け位置を考える上で、多くの車種にとって最も基本的かつ推奨される場所は「ルームミラーの裏側(助手席側寄り)」です。

この場所は、これまで述べてきた法律、安全性、そして機能性という3つの観点を、非常に高いレベルで満たすことができる「スイートスポット」と言えます。

 

まず、法的な観点では、ルームミラーによって遮蔽される範囲への取り付けは、前述の通り道路運送車両の保安基準で明確に許可されています。

法律の観点から見ても、このエリアは元々運転者の視界から隠れている「既存の死角」であるため、その範囲内に機器を設置しても、新たに視界を妨げることにはならない、という合理的な判断に基づいています。

 

次に、安全性の観点です。運転中、ドライバーの視線は基本的に車両の前方遠くに注がれています。

ルームミラーの裏側という位置は、この主要な視野から大きく外れており、運転中に機器の存在が意識にのぼりにくくなります。

これにより、注意散漫になるリスクを効果的に低減させ、運転への集中を維持しやすくなるのです。

まさに「視界にあれど意識にはなし」という、安全装置にとって理想的な状態を作り出せます。

 

そして、機能性の観点からも多くのメリットがあります。

多くの車種でガラスの中央に近い位置になるため、左右のバランスが取れた、歪みの少ない映像を撮影できます。

これは、万が一の際に状況を正確に把握する上で非常に有利です。

また、この位置はワイパーの拭き取り範囲内に収まりやすく、悪天候時でも雨粒や汚れに邪魔されず、鮮明な記録を継続することが可能です。(出典:KENWOOD ドライブレコーダーの取り付け位置について

 

DRV-EM4800 ケンウッド デジタルルームミラー型ドライブレコーダー

 

このように、ルームミラー裏は多くの条件を満たす最適な場所と言えます。

しかし、近年は先進運転支援システム(ADAS)のカメラやセンサーが、まさにこの位置にユニットとして組み込まれている車種が増えています。

これらのセンサーの視界を少しでも妨げると、システムが誤作動を起こすなど、重大な危険に繋がる可能性があります。

取り付け前には必ずご自身の車の取扱説明書を確認し、設置禁止エリアを把握しておくことが不可欠です。

 

運転席・助手席の取り付け位置と注意点

運転席・助手席の取り付け位置と注意点


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ドライブレコーダーをフロントガラスのどちら側に取り付けるかは、安全性と機能性のバランスを考える上で非常に重要な選択です。

運転席からの映像を忠実に記録したいという考え方もありますが、安全性を最優先する観点から、それぞれのメリットと注意点を深く理解することが大切です。

 

運転席側

運転席側に取り付ける最大のメリットは、運転者と全く同じ視点の映像が記録できることです。

これにより、運転状況を振り返る際や、ドライビングテクニックの確認など、特定の目的においては有効な場合があります。

 

しかし、そのメリット以上に注意すべき点が多く存在します。

第一に、本体が常に視界の片隅に入りやすく、圧迫感を感じたり、運転の妨げになったりする可能性が高まります。

特に右左折時には、ただでさえ死角となりやすいAピラー(車体の柱)とドライブレコーダーが重なり、歩行者や自転車の発見が遅れる危険性も指摘されています。

 

さらに、夜間運転時には、機器の作動ランプの点滅や液晶モニターの光が想像以上に気になることがあります。

暗い道路ではわずかな光でも注意を引いてしまい、運転への集中を削ぐ一因となり得ます。

言ってしまえば、安全のために設置した機器が、新たなリスクを生み出してしまう本末転倒な事態になりかねません。

 

助手席側

前述の通り、助手席側は運転の妨げになりにくく、安全性が高いことが最大のメリットです。

運転者の主要な視界から外れた位置にあるため、機器の存在を意識することなく、運転に集中できます。

この「付けていることを忘れられる」という感覚こそが、安全な運用における理想的な状態と言えるでしょう。

そのため、ほとんどの自動車メーカー、カー用品販売店では、こちらの位置への設置を推奨しています。

 

もちろん、注意点も存在します。

車種や取り付け位置によっては、撮影される映像が少し助手席側に寄ってしまう可能性があります。

しかし、広角レンズを搭載した現在の多くのモデルでは、道路の白線や信号機、対向車など、状況証拠として必要な要素は十分に画角内に収まります。

ドライブレコーダーの第一の目的は、映画のような完璧な構図の映像を撮ることではなく、万が一の際に必要な情報を確実に記録することです。

この点を踏まえれば、わずかな画角のずれは、安全性の向上という大きなメリットを考えれば許容できる範囲と言えます。

 

これらのことから、特別な理由がない限りは、安全性を最優先し、助手席側への設置を検討するのが最も合理的かつ一般的なアプローチです。

 

ミラー型ドライブレコーダー ZDR048+CDOP-01P 駐車監視コードセット コムテック

 

場所・目的別のドライブレコーダー取り付け位置

場所・目的別のドライブレコーダー取り付け位置


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この章では、リアやダッシュボードへの設置方法や、具体的な場所ごとの注意点を解説します。

ご自身の車に最適な取り付け位置を見つけ、よくある失敗例を知って後悔したくない方は、ぜひ参考にしてください。

 

ポイント

  • 後ろやダッシュボードへの取り付け位置
  • 左右や真ん中の取り付け位置で変わる撮影範囲
  • おすすめのドラレコ取り付け位置はここ
  • ドラレコ取り付け位置でよくある失敗
  • まとめ:ドライブレコーダー取り付け位置の要点

 

後ろやダッシュボードへの取り付け位置

後ろやダッシュボードへの取り付け位置


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ドライブレコーダーの設置場所はフロントガラスだけではありません。

特に近年では、後方からの追突や悪質なあおり運転を記録するリアカメラの重要性が高まっています。

また、手軽さからダッシュボードへの設置を考える方もいますが、それぞれにフロントガラスとは異なる注意点が存在します。

 

後ろ(リアガラス)への取り付け

リアカメラは、前方からの事故だけでなく、後方からの追突事故の状況証拠を確保する上で極めて有効です。

リアカメラの取り付け位置については、2025年7月時点でフロントガラスほど厳格な法的規制はありませんが、後方視界を著しく妨げないよう配慮し、かつカメラの性能を最大限に引き出すためのいくつかの重要なポイントがあります。

 

注意点1:熱線(デフォッガー)を避ける

リアガラスには、曇り止めのために熱線(デフォッガー)が張り巡らされています。

カメラのマウントをこの熱線の上に直接貼り付けてしまうと、熱の影響で両面テープの粘着力が徐々に弱まり、走行中の振動や夏の暑さで突然脱落する原因になります。

また、一度貼り付けたものを無理に剥がそうとすると、熱線を断線させてしまい、曇り止め機能が使えなくなる恐れもあります。

設置の際は、必ず熱線と熱線の間を狙って慎重に貼り付ける必要があります。(出典:AUTOBACS ドライブレコーダーの取り付けで気をつけるべきポイント8選

 

注意点2:ワイパーの拭き取り範囲

ハッチバックやSUVなど、リアワイパーが装備されている車種では、そのワイパーが拭き取る範囲内にカメラのレンズが収まるように設置することが大切です。

この範囲外に設置すると、雨天時に付着した水滴で映像が不鮮明になり、いざという時にナンバープレートなどの重要な情報が読み取れなくなってしまいます。

セダンなどリアワイパーがない車種の場合は、ガラスコーティング剤を塗布しておくなど、雨対策を別途講じると良いでしょう。

 

ダッシュボードへの取り付け

ダッシュボード上への設置は、配線が簡単そうに見えるため選択肢として考えられることがありますが、安全性と機能性の両面から多くの制約があり、基本的には推奨されません。

 

注意点1:厳しい視界基準と振動

フロントガラスへの設置ルールとは別に、ダッシュボード上は「運転者の視界を妨げないこと」という、より解釈の厳しい基準を満たす必要があります。

また、ガラスに比べて振動を拾いやすく、走行中に映像がブレてしまう可能性も高まります。

 

注意点2:エアバッグとの干渉

これが最も深刻なリスクです。

助手席エアバッグが搭載されているダッシュボード上にドライブレコーダーなどの硬い物を設置すると、万が一の事故でエアバッグが作動した際に、その爆発的な膨張力でドライブレコーダーが乗員に向かって高速で飛散する危険性があります。

安全のために設置した機器が、重大な傷害を引き起こす凶器と化してしまうのです。

この理由だけでも、ダッシュボードへの設置は避けるべきと言えます。

 

注意点3:高温と反射

ダッシュボード上は直射日光に最もさらされやすい場所の一つであり、夏場には極端な高温になります。

この熱により、機器の誤作動や故障、内蔵バッテリーの寿命低下を招くことがあります。

加えて、ダッシュボードの素材がフロントガラスに映り込み、その反射が映像に「ゴースト」としての残ってしまうこともあり、記録映像の質を低下させる一因となります。

これらの理由から、特にダッシュボードへの設置は、手軽さと引き換えに多くのリスクを伴うため、安全性を最優先に考えるならば避けるべき選択肢です。

 

左右や真ん中の取り付け位置で変わる撮影範囲

左右や真ん中の取り付け位置で変わる撮影範囲


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フロントガラスの中央、つまりルームミラー付近を基準として、カメラを左右のどちらに寄せるかによって、撮影される映像の範囲や特性が微妙に変わってきます。

これは、理想的な撮影範囲と、現代の自動車が持つ物理的・技術的な制約との間で、最適なバランスを見つけるための戦略的な判断と言えます。

 

真ん中(ルームミラー直下など)

真ん中に設置する最大のメリットは、左右均等で最も自然な画角の映像が撮影できることです。

車両の中心から前方を捉えるため、道路の白線や対向車との距離感が把握しやすく、事故状況を分析する際に、より客観性の高い情報となり得ます。

 

しかし、この「真ん中」という一等地は、多くの現代の車種において、先進運転支援システム(ADAS)のカメラやセンサーを収めた大きなユニットに占有されています。

そのユニットを避けてルームミラーの真下など低い位置に設置すると、今度は運転者の視界を妨げ、保安基準に適合しなくなる可能性が高まります。

 

また、車内も同時に撮影する360度カメラの場合、ルームミラーの真下に設置すると、ルームミラー本体やその支柱が大きな死角となり、期待した範囲の車内映像が記録できないという問題も生じることがあります。

 

左右へのオフセット

このような理由から、現実的な選択肢として、カメラを中央のセンサーユニットなどを避けて、左右どちらかにずらして設置するケースが一般的です。

 

助手席側へのオフセット

最も一般的かつ推奨されるパターンです。

運転の妨げにならず、安全性を最大限に確保できることが大きな利点です。

「カメラを中央からずらすと、運転席側の様子が映らないのではないか」と心配されるかもしれませんが、これは多くの場合、杞憂に終わります。

 

現在のドライブレコーダーは140度以上の広角レンズを搭載しているのが主流であり、助手席側に取り付けても、運転席側のAピラー(車体の柱)付近まで、車両前方を十分にカバーできます。

取り付ける前に、一度仮止めしてスマートフォンのアプリなどで実際の映像を確認してみると、その画角の広さに驚くかもしれません。

 

運転席側へのオフセット

運転者と同じ視点の映像が撮れるというメリットはありますが、前述の通り、常に視界に入り込むことによる圧迫感や注意散漫のリスク、夜間の画面の光による眩しさなど、安全運転上のデメリットが大きいため、通常は推奨されません。

 

取り付け位置による撮影範囲の特性比較
設置場所メリットデメリット・注意点
真ん中左右均等で客観性の高い画角ADASセンサーとの干渉、保安基準違反、視界妨害のリスク
助手席側安全性と機能性のバランスが最も良い映像がわずかに左に寄るが、広角レンズでほぼ問題なし
運転席側運転者と同じ視点の映像が撮れる視界妨害や運転への集中を削ぐリスクが非常に高く、非推奨

要するに、ほとんどの車種において、最適な取り付け位置探しのスタート地点は「中央のセンサーユニットの助手席側」となります。

ここから、ワイパーの範囲などを考慮して最終的な位置を決定するのが、最も合理的で失敗の少ないアプローチです。

 

おすすめのドラレコ取り付け位置はここ

おすすめのドラレコ取り付け位置はここ


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これまでの情報を総合し、取り付け位置の結論を導き出すと、多くの車種で最も推奨できる場所は、「ルームミラー裏の助手席側で、ワイパーの拭き取り範囲内、かつ先進運転支援システム(ADAS)のカメラやセンサー類に干渉しない場所」となります。

 

この場所が「最適解」として選ばれるのには、明確な理由があります。

それは、これまで解説してきた「法的適合性」「安全性」「機能性」という3つの重要な条件を、最も高いレベルでバランス良く満たしているからです。

 

なぜこの場所が推奨されるのか

法的適合性

ルームミラーの裏というエリアは保安基準で設置が認められており、かつガラス上部20%以内という条件もクリアしやすい、いわば「法律のお墨付き」を得たエリアです。

 

安全性

運転者の主要な視界から物理的に外れているため、運転中に機器の存在が気になりにくく、注意散漫になるリスクを大幅に低減できます。

安全のための装置が、新たな危険の原因となってはならないという大原則を満たしています。

 

機能性

車両の中央に近い位置であるため、左右のバランスが取れた映像が撮影できます。

さらに、ワイパーの拭き取り範囲内にレンズを設置することで、雨天時でも水滴に邪魔されることなく、ナンバープレートなどの重要な証拠を鮮明に記録し続けることが可能になります。

 

車種ごとの最終確認の重要性

ただし、これはあくまで多くの車種に共通する一般的な最適解です。

特に注意が必要なのは、先進運転支援システム(ADAS)を搭載した車両です。

例えば、スバルのアイサイトは非常に高精度なステレオカメラを使用しており、メーカーが指定する領域にドライブレコーダーなどを設置することを厳しく制限しています。

これは他のメーカーの安全運転支援システムでも同様の傾向にあります。

 

そのため、最終的な位置を決定する前には、ご自身の自動車の取扱説明書を必ず確認し、「フロントガラスへの設置物に関する注意」などの項目を熟読することが不可欠です。

取扱説明書には、多くの場合、センサー類の位置や設置を避けるべき範囲が図で示されています。

この一手間を惜しむと、車両の重要な安全機能を損なうことになりかねません。

もし不明な点があれば、カーディーラーや専門のカー用品店に相談するのも確実な方法です。

 

ユピテル Y-3200 marumie 全方向3カメラドライブレコーダー

 

ドラレコ取り付け位置でよくある失敗

ドラレコ取り付け位置でよくある失敗


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ドライブレコーダーの取り付けは、一見すると簡単な作業に見えますが、その手軽さゆえに重要なポイントが見過ごされ、思わぬ失敗をしてしまうことがあります。

ここでは、取り付けで後悔しないために、特によくある失敗例とその具体的な対策を紹介します。

 

ワイパーの拭き取り範囲外に設置

これは、取り付けたその日には気づきにくい、最もありがちな失敗の一つです。

晴れた日に完璧な位置だと思って設置しても、いざ雨が降った時に、映像が雨粒や汚れで滲んでしまい、肝心な部分が全く見えないという事態に陥ります。

証拠映像としてナンバープレートの文字が読み取れなかったり、信号の色が不鮮明だったりすれば、ドライブレコーダーの価値は大きく損なわれてしまいます。

 

対策としては、取り付ける前に必ずワイパーを作動させ、その拭き取り範囲内にカメラのレンズが完全に収まっているかを目視で確認することです。

乾いたガラスでワイパーを動かすのがためらわれる場合は、ウォッシャー液を噴射しながら確認すると良いでしょう。

この一手間が、悪天候時の記録品質を左右します。

 

ADAS(先進運転支援システム)への干渉

ルームミラー周辺は、自動ブレーキや車線逸脱警報、先行車発進お知らせ機能など、先進運転支援システム(ADAS)のための重要なカメラやセンサーが集中している「聖域」です。

これらのセンサーの視界を少しでも遮るように取り付けてしまうと、システムが道路状況を誤認識し、機能しなくなるばかりか、予期せぬタイミングで急ブレーキがかかるなど、かえって危険な状況を招く恐れがあります。

 

メーカーが指定する禁止領域は、自動車の取扱説明書に必ず記載されています。

これは単なる推奨ではなく、安全に関わる絶対的な指示です。取り付け前には必ず熟読し、厳守しなくてはなりません。

 

エアバッグの作動を妨げる配線

特にDIYで取り付けを行う際に細心の注意を払いたいのが、電源ケーブルの取り回しです。

見栄えを良くしようと、配線をAピラー(フロントガラス横の柱)のカバー内に隠すことは一般的ですが、その方法を誤ると大変危険です。

 

Aピラーの内部には、多くの場合カーテンシールドエアバッグが格納されています。

配線がこのエアバッグの展開経路上や前面にあると、万が一の作動時に配線が引っかかってエアバッグが正常に膨らまなかったり、最悪の場合、断線したケーブルや固定具が乗員に向かって飛散したりする可能性があります。

配線を隠す際は、必ずエアバッグモジュールの「後ろ側」を通すなど、その構造を理解した上で作業する必要があります。

「SRS AIRBAG」といった表記があるピラーのカバーを外す作業は、特に慎重さが求められます。

 

これらの失敗を避けるためには、事前の情報収集が不可欠です。

そして、ご自身の知識や技術に少しでも不安を感じる部分があれば、無理をせずカーディーラーや専門のカー用品店といったプロに依頼する判断が、最終的に最も安全で確実な方法と言えるでしょう。

 

まとめ:ドライブレコーダー取り付け位置の要点

この記事で解説してきたドライブレコーダーの取り付け位置に関する重要なポイントを、最後に箇条書きでまとめます。

取り付けを成功させるためのチェックリストとしてご活用ください。

記事のポイント まとめです

  • 取り付け位置は道路運送車両の保安基準で定められている
  • フロントガラス上縁から縦長の20%以内が基本
  • ルームミラーの裏側に隠れる範囲も許可されている
  • 基準外への設置は車検不適合や不正改造になる可能性がある
  • 最も重要なのは運転者の安全な視界を確保すること
  • 多くの専門家やメーカーは助手席側への設置を推奨している
  • 運転の妨げになりにくく安全性が高いためである
  • ワイパーの拭き取り範囲内にレンズを収めることが必須
  • 雨天時でも鮮明な映像を記録するために不可欠
  • 先進運転支援システム(ADAS)のカメラやセンサーを絶対に塞がない
  • リアカメラは熱線(デフォッガー)を避けて設置する
  • ダッシュボードへの設置は高温やエアバッグ干渉のリスクが高い
  • 配線はエアバッグの展開領域を避けて取り回す
  • 車種ごとの特性があるため自動車の取扱説明書の確認が大切
  • 最終的には法的適合性・安全性・機能性を総合して判断する

 

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