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空き巣で警察が動かない理由と被害者が今すぐできる全対策

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空き巣で警察が動かない理由と被害者が今すぐできる全対策

 

ある日突然、自宅という最も安心できるはずの場所が侵される「空き巣」。

その被害に遭った時の衝撃と不安は計り知れません。

すぐに警察へ連絡し、迅速な対応を期待するものの、「思ったように捜査が進展しない」と感じる方は少なくないのが現実です。

 

この記事では、「そもそも空き巣って何ですか?」という基本的な疑問から、被害に遭った際に「空き巣に入られたら警察はどう対応する?」のか、そして多くの人が抱く「なぜ不法侵入で警察が動かないのですか?」という核心的な問いに、統計データと法的な側面から深く切り込みます。

 

さらに、「空き巣が捕まらない理由と捜査の限界」や、警察が捜査に着手する際に基準とする「事件性」の判断、また「盗難で警察が動く額」によって対応は変わるのか、といった一歩踏み込んだ疑問にもお答えします。

 

この記事を最後まで読めば、「警察は現実的にどこまで動いてくれますか?」という捜査の範囲から、万が一の「窃盗で警察から呼び出しがあるケース」、そして最も重要な「警察が動いてくれない時はどうすればいい?」という具体的な解決策、さらには「警察が動いてくれない時の相談窓口一覧」まで、あなたが今抱えている不安を解消し、次の一歩を踏み出すための知識が全て手に入ります。

 

この記事で分かること

記事のポイント

  • 警察が空き巣捜査に慎重になる構造的な理由
  • 被害届と告訴状の決定的な違いと正しい使い方
  • 被害回復のために被害者自身ができる具体的な行動
  • 二次被害を防ぎ、安心を取り戻すための相談先

 

目次

「空き巣で警察が動かない」5つの構造的理由

「空き巣で警察が動かない」5つの構造的理由


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この章では、なぜ空き巣被害で警察が動かないと感じてしまうのか、その背景にある構造的な理由を詳しく解説します。

統計データや警察が用いる「事件性」の判断基準など、捜査の現実を知りたい方はぜひ参考にしてください。

 

ポイント

  • そもそも空き巣って何ですか?
  • 空き巣に入られたら警察はどう対応する?
  • なぜ不法侵入で警察が動かないのですか?
  • 空き巣が捕まらない理由と捜査の限界
  • 警察が言う「事件性」とは?捜査の基準
  • 盗難で警察が動く額に基準はあるの?

 

そもそも空き巣って何ですか?

そもそも空き巣って何ですか?


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「空き巣」とは、家人や住人が外出していて留守になっている住宅の室内に、無断で侵入し金品を盗み出す窃盗の一種を指します。

この手口が「空き巣」と呼ばれるのは、まさに鳥が巣立った後の「空の巣」を狙う様子になぞらえているためです。

同じ住宅への侵入窃盗には、住人が就寝中に侵入する「忍込み(しのびこみ)」や、食事中や庭の手入れといった家事の最中など、住人が在宅しているものの隙をみて侵入する「居空き(いあき)」といった異なる手口も存在します。

しかし、犯人にとって住人と鉢合わせするリスクが最も低い「空き巣」は、これらの手口の中で突出して多く発生しているのが実情です。

(出典:ALSOK 最新の統計データから読み解く、侵入窃盗の傾向と防犯対策はコレ!

 

警察庁の統計によると、住宅への侵入窃盗犯が利用する侵入経路で最も多いのは「窓」からで、その手口は驚くべきことに、鍵のかかっていない窓やドアからの侵入である「無締り(むしまり)」が最多となっています。

「ゴミ出しのわずかな時間だから」「2階だから大丈夫だろう」といった、日常に潜むごくわずかな油断が、犯人に侵入の機会を与えてしまうのです。

次いで多いのが、ドライバーなどで窓ガラスの一部を割り、そこから手を入れて鍵を開ける「ガラス破り」で、これらが住宅侵入の二大常套手段です。

 

この事実は、多くの空き巣犯がピッキングのような特殊で高度な技術に頼るのではなく、ごく基本的な住まいの隙や弱点を狙う、いわば日和見的な犯行であることを明確に示しています。

犯人は犯行前にターゲットの家を下見し、留守になる時間帯、家族構成、近所の目の有無、そして逃走経路などを入念にチェックしている場合も少なくありません。

 

したがって、空き巣は誰の身にも起こりうる非常に身近な犯罪であり、その手口や犯人の思考を正しく理解することが、効果的な防犯対策を計画し、実行するための重要な第一歩と考えられます。

犯人の視点に立って自宅のどこにリスクが潜んでいるのかを把握することが、被害を未然に防ぐ上で何よりも大切になるのです。

 


 

空き巣に入られたら警察はどう対応する?

空き巣に入られたら警察はどう対応する?


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空き巣の被害に遭い、110番通報をした場合、警察はいくつかの明確な段階を踏んで対応を進めることになります。

その対応は、被害者の安全確保から始まり、証拠収集、そして犯人特定へと続く一連のプロセスです。

まず、通報を受けると管轄の警察署から最も近くにいる警察官が現場に急行し、初動対応を開始します。

 

この初動対応では、まず被害者の安全を確保した上で、被害者や第一発見者から詳細な事情聴取が丁寧に行われます。

いつ被害に気づいたのか、留守にしていた正確な時間帯、家を空ける前の施錠の状況、そして不審な人物や車両を見なかったかなど、事件の全体像を把握するための重要な質問がなされます。

同時に、犯人がまだ近くに潜んでいる可能性もゼロではないため、周辺の捜索や近隣住民への聞き込みも迅速に行われることがあります。

この初期段階での情報収集が、その後の捜査の方向性を大きく左右することもあるのです。

 

警察の本格的な捜査活動

制服警察官による初動対応と並行、またはその後に、刑事課の捜査員や鑑識課の専門官が現場に到着し、より本格的な捜査活動へと移行します。

特に鑑識官は、犯人が残した指紋や足跡、毛髪、衣服の繊維といった微細な証拠、いわゆる「遺留品」を特殊な機材を用いて採取するプロフェッショナルです。

犯人に直接結びつく重要な物証を見つけ出すため、侵入口から室内まで徹底的に調べ上げます。

 

この鑑識活動の精度を最大限に高めるためにも、被害者は警察官が到着するまで、室内のものには一切触れず、現場をそのままの状態で保全することが極めて大切になります。

片付けたいという気持ちは痛いほど分かりますが、善意で動かした物が貴重な証拠を消してしまったり、現場の状況を複雑にしてしまったりする可能性があるため、慎重な行動が求められます。

 

その後、被害者は通常、管轄の警察署へ赴き、正式な「被害届」を作成・提出することになります。

この書類には、盗まれた品物の詳細(品名、型番、色、特徴など)やおおよその被害額を記載するため、事前に被害品リストを作成しておくと手続きがスムーズです。

この被害届が受理されると、警察の公式な捜査資料の基礎となり、捜査が本格的に動き出します。

これらの手続きを経て、警察は防犯カメラ映像の解析や聞き込み情報の精査、盗難品の追跡など、多角的なアプローチで犯人特定に向けた捜査を継続していくことになります。

 

 

なぜ不法侵入で警察が動かないのですか?

なぜ不法侵入で警察が動かないのですか?


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多くの被害者が「警察が動いてくれない」と強く感じる背景には、個々の警察官の意欲の問題ではなく、日本の法制度と警察組織が抱える構造的な現実が存在します。

その最も大きな要因は、警察が持つ捜査リソース(人員、時間、予算)が有限であり、すべての事件に等しく力を注ぐことが物理的に不可能であるという点にあります。

 

警察は、日々発生する殺人や強盗といった凶悪犯罪から、交通事故、家庭内トラブル、行方不明者の捜索、そして日常的なパトロールまで、極めて広範な業務を担っています。

このため、必然的に事件の重大性、緊急性、そして解決の見込み(立件の可能性)に基づいて、対応の優先順位、いわゆる「トリアージ」を行わざるを得ないのです。

例えば、人命に関わる凶悪事件が発生した場合、管内の捜査リソースはその事件の解決に最優先で集中投入されます。

その結果、他の事件、すなわち不法侵入や窃盗事件の捜査が一時的に停滞、あるいは捜査の規模が縮小されることは、社会全体の安全を維持するための合理的な判断とも考えられます。

 

捜査の壁となる「証拠の有無」と「民事不介入」

捜査の優先順位を決定する上で、犯人逮捕に結びつく「証拠の有無」は決定的に重要です。

目撃者や有効な防犯カメラ映像がなく、犯人に繋がる指紋やDNAなどの物証が一切得られなければ、捜査は開始早々に手詰まりとなってしまいます。

警察は証拠を創り出すことはできず、解決の見込みが極めて低い事件に、貴重なリソースを長期間投入し続けることは困難です。

 

また、法律の基本原則も関係してきます。「民事不介入の原則」と呼ばれるもので、これは当事者間の個人的なトラブル(例えば貸したお金が返ってこない、元同居人が物を持ち出した等)には、警察は原則として介入しないという考え方です。

見ず知らずの人物による空き巣は明白な刑事事件ですが、警察はまず「事件の背景に民事的なトラブルはないか」という視点でも状況を判断します。

これらの理由から、被害者の「すぐに犯人を捕まえてほしい」という切実な感情と、警察の組織的な判断との間に、認識の大きなギャップが生まれやすい構造になっているのです。

(出典:ベリーベスト法律事務所 窃盗で被害届を提出しても警察が捜査しないケースとは?

 

 

空き巣が捕まらない理由と捜査の限界

空き巣が捕まらない理由と捜査の限界


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空き巣犯が捕まらない、あるいは捜査が難航する主な理由は、犯人を特定するための客観的な証拠が、犯行現場にほとんど残されていないケースが多いことにあります。

プロや常習的な窃盗犯は、自身の特定に繋がる痕跡を消すことに長けています。

指紋を残さないように手袋を着用するのはもちろんのこと、足跡が残りにくい履物を選んだり、顔が特定されないよう帽子やマスク、フードなどで顔を隠したりと、周到な準備をして犯行に及ぶのです。

 

このような状況では、たとえ警察が現場検証を丁寧に行ったとしても、犯人に直接結びつく決定的な物証を得ることは極めて困難です。

また、犯行は住人の留守中、特に人通りが少なくなる時間帯や、周囲から見えにくい立地の家が狙われやすいため、有力な目撃情報が得られにくいという側面もあります。

仮に誰かが不審な人物を見かけたとしても、それが犯罪行為と結びつかなければ、記憶に残りにくく、警察への通報に至らないことがほとんどです。

 

防犯カメラと捜査の現実

近年、街頭や個人宅での防犯カメラの普及により、検挙率の向上に大きく貢献していることは事実です。

しかし、その防犯カメラ映像も万能ではありません。

カメラが設置されていても、夜間で画質が不鮮明であったり、逆光であったりして顔が鮮明に識別できないケースは少なくありません。

また、犯人がカメラの存在に気づき、その死角を巧みに突いて侵入・逃走することもあります。

 

さらに、犯人が盗難車や偽造ナンバープレートの車両を使用していた場合、車両からの追跡は非常に困難になります。

stolen goods(盗品)の行方も捜査の重要な手がかりですが、これらもまた、インターネット上のフリマアプリなどを通じて、身元を隠したまま迅速に現金化されてしまうため、足取りを追うことは容易ではありません。

 

これらの複数の要因が重なると、捜査は有力な手がかりがないまま手詰まり状態に陥りやすくなります。

警察庁の統計によれば、2022年(令和4年)における侵入窃盗全体の検挙率は60.5%とされています。

(出典:警察庁 住まいる防犯110番 侵入窃盗(空き巣など)

この数字は、10件のうち約6件は検挙に至っていることを示し、警察が高い捜査能力を持っていることの証左です。

しかし、裏を返せば、残りの約4割は犯人が捕まっていないという厳しい現実も物語っています。

これが、証拠が乏しい犯罪捜査における限界と言える部分なのです。

 


 

警察が言う「事件性」とは?捜査の基準

警察が言う「事件性」とは?捜査の基準


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警察が捜査を開始、あるいは本格化させるかどうかの最初の判断において、「事件性」の有無は極めて重要な基準となります。

この「事件性」という言葉は、単に「何か出来事が起きた」ということではなく、「犯罪行為が介在していることが客観的な証拠や状況から明白であるか」を指す、警察内部の専門的な尺度です。

この判断は、限られた捜査リソースをどこに投入すべきか、そして個人のプライバシーに関わる強制的な捜査権限を行使できるか、その正当性を担保するための第一歩となります。

 

例えば、「部屋に置いてあった財布が見当たらない」という申告があったとします。

この申告だけでは、単に置き忘れた可能性、家族が移動させた可能性、そして第三者に盗まれた可能性など、様々な状況が考えられます。

この段階では、直ちに犯罪があったと断定することは困難であり、「事件性」はまだ不明確と言えます。

 

しかし、もし「窓ガラスが割られ、室内が荒らされた上で財布がなくなっている」という状況であれば、話は全く異なります。

これは第三者による不法侵入と窃盗という、明白な犯罪行為があったことを強く示唆しています。

これが、警察にとって「事件性が高い」と判断される典型的な状態であり、本格的な捜査を開始する十分な根拠となるのです。

 

「事件性」の判断が分かれるケース

警察は、通報や相談を受けた際に、現場の状況や関係者の話から、この事件性の有無や高低を慎重に見極めます。

特に判断が分かれやすいのが、客観的な証拠が乏しいケースです。

 

例えば、「停めておいた自転車がなくなった」という場合、盗難の可能性もあれば、自治体に放置自転車として撤去された可能性も考えられます。

もし、地球ロックしていたチェーンが切断されていれば事件性は高まりますが、そうでなければ判断は難しくなります。

 

同様に、当事者の話が曖昧な場合や、当事者間に面識があるトラブルの場合なども、警察は「事件性あり」と即断せず、慎重な姿勢を示すことがあります。

要するに、警察を本格的に動かすためには、単なる被害の申告だけでなく、それが第三者の意図的な犯罪行為によるものであることを示す、客観的な状況証拠をどれだけ提示できるかが、捜査の基準として極めて大切になるということです。

 

 

盗難で警察が動く額に基準はあるの?

盗難で警察が動く額に基準はあるの?


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「盗まれた金額が少ないと、警察はまともに捜査してくれないのではないか」という疑問は、多くの被害者が抱くもっともな不安の一つです。

しかし、結論から言うと、警察が捜査を開始するかどうかを判断する上で、「被害額がいくら以上でなければならない」といった法的に明確な基準は一切存在しません。

 

日本の刑法における窃盗罪は、被害額の大小にかかわらず成立する犯罪です。

たとえ被害がボールペン1本であっても、他人の財物を盗めば罪に問われることに変わりはありません。

したがって、被害額が少額であることを理由に、警察が被害届の受理を拒否したり、捜査を一切行わなかったりすることは、原則として許されないのです。

 

ただし、これはあくまで法律上の原則論です。

現実的な捜査の優先順位という観点では、被害額の大小が一つの考慮要素になることは否定できません。

前述の通り、警察は限られたリソースで活動しており、社会的な影響が大きい事件や、より悪質な手口の事件を優先的に捜査する傾向があります。

数千円の万引き事件と、数億円規模の組織的な詐欺事件が同時に発生した場合、後者により多くの捜査員が投入されるのは、社会の秩序維持を目的としたある意味で自然な判断と言えます。

 

被害額よりも重視される判断基準

しかし、これも一概には言えません。警察が捜査の優先度を決める際には、被害額という単一のモノサシだけではなく、より多角的な視点から事件を評価しています。

 

例えば、被害額は少額でも、同一犯による連続窃盗事件の可能性が濃厚な場合、警察は市民への被害拡大を防ぐために重要事件として捜査体制を強化します。

また、高齢者や障がい者といった社会的に弱い立場の人々ばかりを狙った悪質な犯行や、神社仏閣からご神体を盗むといった社会の感情を逆なでするような事件も、金額にかかわらず優先的に捜査される傾向にあります。

 

要するに、警察が動くかどうかは被害額だけで機械的に判断されるのではなく、犯行の手口の悪質性、社会的な影響、事件の連続性や広域性といった様々な要素を総合的に評価して、その都度判断されているのです。

 

 

「空き巣で警察が動かない」と感じた時の解決策

「空き巣で警察が動かない」と感じた時の解決策


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この章では、空き巣被害で警察が動かないと感じた時に、被害者自身が取れる具体的な解決策を詳しく解説します。

被害届より強力な法的手段や、警察以外に頼れる専門の相談窓口を知りたい方はぜひ参考にしてください。

 

ポイント

  • 警察は現実的にどこまで動いてくれますか?
  • 窃盗で警察から呼び出しがあるケースとは
  • 警察が動いてくれない時はどうすればいい?
  • 警察が動いてくれない時の相談窓口一覧
  • 総まとめ:空き巣で警察が動かない場合

 

警察は現実的にどこまで動いてくれますか?

警察は現実的にどこまで動いてくれますか?


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空き巣の被害に遭った際、警察が現実的にどこまで対応してくれるのかを正しく理解しておくことは、過度な期待による後の失望を避ける上で非常に大切です。

まず認識すべきは、警察の最も重要な役割は、犯人を特定して逮捕し、事件を検察官に引き継ぐ「刑事手続き」を進めること、そして同様の被害拡大を防ぐことです。

被害者の金銭的な損害を直接補償することではない、という点は明確に区別して考える必要があります。

 

被害届が受理されると、警察は法律と内部規定に基づき、可能な範囲で捜査を行います。その内容は多岐にわたります。

 

具体的に行われる主な捜査活動

現場での鑑識活動によって採取された指紋やDNAは、警察のデータベースと照合されます。

周辺での聞き込みでは、単に目撃情報を集めるだけでなく、近隣で類似の不審者情報がないかなども確認します。

また、防犯カメラ映像の収集と分析は、犯人の逃走経路や特徴を割り出すための地道な作業です。

さらに、盗まれた品物の特徴をまとめた「品触れ(しなふれ)」と呼ばれる手配書を、古物市場やリサイクルショップなどに配布し、盗品が売買されていないかを追跡する捜査も行います。

 

前述の通り、2022年(令和4年)時点での侵入窃盗の検挙率は約6割に達しており、これは警察が侵入窃盗を重要犯罪と位置づけ、相応の捜査リソースを投入していることの証左です。

 

被害者が知っておくべき捜査の現実

ただし、すべての事件でテレビドラマのような大規模な捜査本部が設置されるわけではありません。

それは、社会的反響の大きい連続事件や凶悪事件などに限られます。

一般的な空き巣事件は、管轄の警察署の刑事課が他の多くの事件と並行して捜査を担当するのが通常です。

 

そのため、証拠が乏しく、犯人特定の手がかりが全くない場合、捜査は事実上、新たな証拠が見つかるまで停滞(ペンディング)することがあります。

捜査に進展がない場合、警察から被害者へ定期的な状況報告の連絡が入ることは稀で、これも「動いてくれていない」と感じる一因かもしれません。

 

このように、警察は法律と与えられた権限の範囲内で、現実的に可能な捜査活動を着実に行ってくれます。

しかし、それは必ずしも犯人の逮捕を保証するものではない、という現実も同時に理解しておくことが、冷静に次のステップへ進むためには不可欠です。

 


 

窃盗で警察から呼び出しがあるケースとは

窃盗で警察から呼び出しがあるケースとは


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窃盗事件において、警察から電話などで呼び出しの連絡が来る場合、その方が置かれている立場は大きく分けて二つ考えられます。

一つは事件に関与した疑いがある「被疑者」として、もう一つは捜査に協力する「参考人」としての呼び出しです。

それぞれの立場によって、呼び出しの意味合いやその後の対応は大きく異なります。

 

被疑者としての呼び出し

 

警察の捜査によって、あなたが事件に関与した疑いが濃厚になった場合、「被疑者」として呼び出されることになります。

例えば、犯行現場の防犯カメラにあなたの姿がはっきりと映っていた、盗まれた品物をあなたが所持またはリサイクルショップなどで売却していた、あるいは先に逮捕された共犯者からの供述であなたの名前が挙がった、といった客観的な証拠があるケースがこれに該当します。

 

この場合の呼び出しは、多くの場合「任意の事情聴取」という形で行われますが、事実上の「取調べ」です。

事情聴取に応じることは法律上、任意ですが、正当な理由なく拒否し続けると、警察が「逃亡や証拠隠滅のおそれあり」と判断し、裁判所に逮捕状を請求する可能性が高まります。

取調べでは、供述調書という書類が作成され、署名・押印を求められますが、一度署名するとその内容を覆すことは非常に困難になるため、内容を十分に確認することが大切です。

 

参考人としての呼び出し

一方、「参考人」としての呼び出しは、あなたが事件に関する何らかの情報を持っていると警察が判断した場合に行われます。

これは、あなたが容疑をかけられているわけではありません。

例えば、事件現場の近隣に住んでいて、犯行時間帯に不審な人物や車両を目撃した可能性がある、あるいは被害者や被疑者の知人である、といったケースです。

 

参考人としての事情聴取は完全に任意であり、協力するかどうかは本人の自由です。

しかし、あなたが提供する些細な情報が、捜査の停滞を打ち破る重要なきっかけになることも少なくありません。市民として、可能な範囲で捜査に協力することが事件の早期解決に繋がります。

 

空き巣事件の「被害者」が警察から呼び出されるケースとしては、被害状況をより詳しく再確認するため、盗まれた品物の写真や保証書などを提出するため、あるいは逮捕した容疑者の写真を見せられて「この人物に見覚えはないか」と確認を求められる「面通し」を依頼されるなど、捜査協力の一環であることがほとんどです。

警察から連絡があるということは、捜査が進展している証左とも考えられます。

 

 

警察が動いてくれない時はどうすればいい?

警察が動いてくれない時はどうすればいい?


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被害届を提出したにもかかわらず、一向に捜査が進展している様子がなく、「警察が動いてくれない」と無力感や焦りを感じた場合、被害者が取りうる、より強力な法的手段が存在します。

ただ待つだけでなく、自ら行動を起こすことで状況を打開できる可能性があります。

その最も有効な手段が「告訴状(こくそじょう)」の提出です。

 

被害届と告訴状は、警察に犯罪を申告するという点では似ていますが、その法的な効力は全く異なります。

この違いを正確に理解することが、ご自身の権利を守り、事件の解決を促すための重要な鍵となります。

 

「被害届」は、前述の通り、あくまで犯罪の被害に遭ったという事実を警察に申告する手続きに過ぎません。

警察がこれを受理しても、法的に捜査を開始する義務までは発生しないのです。

そのため、他の重大事件との兼ね合いや証拠の乏しさから、捜査が後回しにされたり、事実上、停滞してしまったりするケースが出てきます。

 

状況を動かす「告訴状」の効力

一方で、「告訴状」は、被害の事実を申告することに加えて、「犯人を特定し、法律に則って処罰してほしい」という被害者の強い意思表示を伴うものです。

そして最も重要な点は、警察がこの告訴状を正式に受理した場合、法律(刑事訴訟法)に基づき、その事件を誠実に捜査し、関連書類や証拠物を検察官に送付する義務が発生する、という点にあります。

つまり、事件を一方的に放置(塩漬け)することができなくなるのです。

(出典:ベリーベスト法律事務所 被害届を提出されたあとの流れ|窃盗なら警察が動かないのは本当か

 

表:被害届と告訴状の主な違い
項目被害届告訴状
法的定義犯罪被害の事実を申告する手続き犯罪事実を申告し、犯人の処罰を求める意思表示
警察の捜査義務発生しない発生する
検察への報告義務義務ではない義務である
提出の難易度比較的容易。警察署で作成を補助してもらえる。比較的高い。法的要件を満たす必要があり、弁護士など専門家の支援が推奨される。

 

ただし、警察に捜査義務を課すという強力な効力を持つため、告訴状の受理は慎重に行われます。

犯罪の事実を具体的に特定し、それを裏付ける客観的な証拠(防犯カメラ映像、目撃者の証言、盗品の記録など)を揃える必要があります。

このため、法的要件が厳しく、個人で作成して提出しても受理されないことも少なくありません。

告訴状の提出を本気で検討する際は、事前に弁護士などの法律専門家に相談し、証拠の整理や書類作成の支援を受けることが賢明な判断と言えます。

 

 

警察が動いてくれない時の相談窓口一覧

警察が動いてくれない時の相談窓口一覧


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警察の対応に納得がいかない場合や、犯人逮捕に向けた刑事手続きとは別に、ご自身の精神的・法的なサポートが必要な場合、頼れる専門の相談窓口がいくつか存在します。

空き巣被害からの回復は、捜査の進展を待つだけでは始まりません。

一人で抱え込まず、これらの公的な機関を積極的に活用することが、平穏な日常を取り戻すための大切な一歩です。

 

警察相談専用電話「#9110」

まず知っておくべきは、緊急通報用の「110番」とは別に、警察への相談専用ダイヤル「#9110」が全国共通で設けられていることです。

「110番」が今まさに起きている事件・事故への緊急対応を目的とするのに対し、「#9110」は、緊急ではないものの警察に相談したい事柄全般を受け付けています。

 

例えば、被害届を提出した後の捜査の進捗に関する一般的な問い合わせや、今後の手続きに関する不安、あるいは担当者の対応に対する要望などを伝えることができます。

電話をかけると、各都道府県の警察本部にある相談総合窓口につながり、内容に応じて適切な部署へ案内してくれます。

どこに相談すれば良いか分からない場合の、最初の入り口として非常に適しています。

(出典:政府広報オンライン 警察に対する相談は警察相談専用電話 「#9110」番へ

 

犯罪被害者支援センター

空き巣被害で最も深刻なのは、金品以上に「心の平穏」が奪われることです。

自宅が安全な場所ではないと感じる恐怖や、不眠、人間不信といった精神的なダメージを回復させるためには、専門的なサポートが不可欠です。

各都道府県に設置されている犯罪被害者支援センターは、まさにそのための専門機関です。

 

ここでは、専門の研修を受けた相談員が、電話や面談によるカウンセリングを無料・秘密厳守で行っています。

また、精神的なサポートだけでなく、一人では心細い警察署や裁判所、病院への付き添い支援や、各種手続きの案内など、多岐にわたる実践的なサポートを提供してくれます。

被害に遭った方やそのご家族にとって、最も心強い味方となる拠点です。

(出典:全国被害者支援ネットワーク

 

法テラス(日本司法支援センター)

「犯人へ損害賠償を請求したい」「告訴状の提出を本格的に考えたい」といった、具体的な法的アクションを検討する際に、大きな障壁となるのが弁護士費用の問題です。

法テラス(日本司法支援センター)は、国によって設立された、こうした法的なトラブル解決を支援するための総合案内所です。

 

経済的な理由で弁護士への相談をためらっている方のために、収入などの条件に応じて無料の法律相談を行っています。

また、犯罪被害者の支援に深い理解と経験を持つ弁護士を紹介してくれるほか、弁護士費用そのものを一時的に立て替える制度(民事法律扶助)もあります。

法的な手続きを通じてご自身の権利を主張したいと考えた時に、必ず相談すべき機関と言えます。

 


 

総まとめ:空き巣で警察が動かない場合

この記事では、「空き巣で警察が動かない」と感じる背景と、その際に被害者が取るべき具体的な行動について解説してきました。

最後に、本記事の要点をまとめます。

記事のポイント まとめです

  • 空き巣は住人の留守を狙う最も一般的な侵入窃盗
  • 被害に遭ったらまず身の安全を確保し110番通報する
  • 警察は被害届を受理し現場検証や事情聴取を行う
  • 警察には被害届だけでは法的な捜査義務は発生しない
  • 限られた人員のため事件の重大性で優先順位がつく
  • 証拠不足が捜査停滞の最大の理由になりうる
  • 侵入窃盗の検挙率は約6割で決して低くはない
  • 「事件性」の客観的な有無が警察の判断基準となる
  • 被害額の大小だけで捜査の有無は決まらない
  • 警察の対応に不満なら「告訴状」の提出を検討する
  • 告訴状が受理されると警察に捜査義務が生まれる
  • 金銭的な被害は火災保険の盗難補償が有効な場合がある
  • 保険請求には警察の被害届受理番号が必須
  • 精神的なケアは犯罪被害者支援センターが頼りになる
  • 緊急でない警察への相談は「#9110」を活用する

 

参考情報一覧

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