「空き巣の犯人は捕まらないのだろうか」と不安になっても、インターネット上の体験談や検挙率だけで、個別の事件の見通しを判断することはできません。
この記事では、検挙率を読むときの注意点と、防犯カメラや被害品の情報を家庭で確認しておく方法を整理します。
我が家には空き巣被害や警察への証拠提出の経験はありません。一方で、防犯カメラの録画状態、日時、保存期間、映像の取り出し方を確認しています。その確認内容と、まだ準備できていないことも紹介します。
侵入の形跡を見つけた場合は、録画の確認や写真撮影よりも、安全確保と通報を優先してください。家の中に人がいる可能性があるときは入らず、安全な場所から110番へ連絡し、警察の指示に従ってください。
「空き巣が捕まらない」と検挙率だけで判断しない
検挙率は個別事件の逮捕確率ではない
犯罪統計の検挙率は、認知件数に対する検挙件数の割合を表す数字です。
検挙率=検挙件数÷認知件数×100
認知件数は警察が発生を認知した事件の数、検挙件数は警察が検挙した事件の数です。事件の件数を数える「検挙件数」と、被疑者の人数を数える「検挙人員」は異なります。
また、その年の検挙件数には、前年以前に認知された事件の検挙も含まれます。そのため、検挙率から「今年起きた事件の何割が解決したか」や「自分の事件の犯人が捕まる確率」をそのまま読み取ることはできません。
同じ理由で、100%から検挙率を引いた数字を、その年の事件の未解決割合として扱うことも適切ではありません。
用語の定義は、長野県警察の犯罪統計用語説明と、法務省「令和7年版 犯罪白書」の凡例で確認できます。
数字を見るときは対象と集計条件を確認する
統計を比較する場合は、対象年、地域、犯罪の分類、集計方法をそろえて確認する必要があります。刑法犯全体、窃盗犯全体、住宅を対象とした侵入窃盗などは、同じ範囲の数字ではありません。
この記事では、検挙率を個別事件の見通しに置き換えず、家庭で準備できる記録と防犯対策を考えます。
犯人の特定や捜査の見通しを家庭で断定できない理由
映像や記録には、確認できる範囲がある
防犯カメラに映像が残っていても、その映像だけで人物を特定できるとは限りません。撮影範囲、明るさ、画質、録画された時間帯などによって、分かる内容が変わります。
たとえば、「人が通ったことは分かるが、顔までは確認できない」「通知は届いたが、必要な時間帯の録画が見つからない」といった違いがあります。
家庭では、映像の有無だけで結論を出さず、何が記録され、何が分からないのかを整理して伝えることが大切です。
被害に気づいた時刻と、発生した時刻は分ける
帰宅時に被害へ気づいても、侵入が起きた正確な時刻まで分かるとは限りません。
説明するときは、「異常に気づいた日時」「最後に異常がないことを確認した日時」「その間の状況」を分けておくと、分かっている事実を伝えやすくなります。不明な時刻を推測で埋める必要はありません。
連絡の間隔だけで捜査状況を判断しない
警察からの連絡が少ないことや、目立った進展が見えないことだけでは、捜査が行われているか、いつ犯人が特定されるかは判断できません。
個別事件について確認したい場合は、担当の警察署へ問い合わせ、新しく分かったことがあれば伝えてください。問い合わせる内容は、空き巣で警察が動かないと感じる理由と被害後に確認したい対応に整理しています。
被害経験のない我が家で記録体制を確認した結果
我が家では、空き巣被害を受けたり、警察へ証拠を提出したりした経験はありません。ここからは、被害後の実体験ではなく、現在の設備と記録の準備状況を確認した内容です。
防犯カメラは、映像が録画されていることと、録画日時が正しいことを確認しています。保存期間と取り出し方も把握していますが、警察への提出を試したという意味ではありません。
※表が画面に収まらない場合は、左右にスクロールできます。
| 確認項目 | 我が家の現在の状況 |
|---|---|
| 防犯カメラの録画 | 映像が録画されていることを確認しています。 |
| 録画日時 | 確認時点で日時が正しいことを確認しています。 |
| 保存期間と取り出し方 | 把握しています。警察への映像提出経験はありません。 |
| センサー・スマートロックの履歴 | 履歴を確認できます。 |
| 家電・貴重品の記録 | 写真、型番、製造番号をまとめる作業はできていません。 |
| 撮影範囲と通知の運用 | 現在の範囲が十分か、重要な通知を見落としにくいかが課題です。 |
使って気づいたのは、通知を確認する負担
我が家では、通知が届くたびに映像を確認すると時間がかかることが気になりました。異常のない通知が続くと、通知に慣れて確認が形式的になる可能性もあると感じています。
そのため、すぐにカメラを増やすのではなく、現在の撮影範囲、録画状態、夜間の映像、通知条件を見直すことから始めたいと考えています。
具体的な台数、設置場所、記録できていない場所は公開せず、家庭内で確認します。これは記録体制の点検であり、犯罪の抑止効果や犯人を特定できる性能を検証したものではありません。
防犯カメラは「設置済み」の次を確認する
録画・再生・保存期間を分けて点検する
映像が現在見られることと、必要な時間帯の録画を後から再生できることは別です。平常時に取扱説明書を読み、自宅の機器でどこまで確認できるかを点検しておきます。
以下は家庭で使うために整理した確認項目です。我が家ですべてを実施済みという意味ではありません。
| 点検すること | 家庭での確認方法 |
|---|---|
| 過去の録画の再生 | ライブ映像だけでなく、過去の日時を指定して再生できるか確認します。 |
| 日時の表示 | 日付と時刻を確認します。被害に関係する映像でずれに気づいた場合は、その状態を記録して警察へ伝えます。 |
| 保存期間・上書き | 契約や設定、記録容量を確認し、いつまで遡れるかと、自動上書きの有無を把握します。 |
| 昼間と夜間の映像 | 明るさや反射によって、確認したい範囲が見えにくくなっていないか点検します。 |
| 映像の取り出し | 必要なアプリ、操作、保存先を説明書で確認します。方法の把握と、実際の書き出し・再生確認は区別します。 |
| 通知と録画の関係 | 通知の設定と録画の設定をそれぞれ確認します。通知がないことだけで、異常がないとは判断しません。 |
録画の保存期間は、記録容量、画質、録画方式、クラウドの契約などによって変わります。「どの家庭でも何日残る」とは決めつけず、利用中の機器と契約で確認してください。
保存期間が変わる要因は、パナソニックEWネットワークスの録画保存期間に関する解説も参考になります。
関係する映像がありそうなときは保存方法を相談する
被害に関係する可能性のある映像が残っている場合は、保存期間や上書きの有無を警察へ伝え、保存・提供の方法を相談します。
自己判断で初期化や削除をしたり、関係する場面だけを編集して元の映像を失ったりしないよう注意してください。操作方法が分からない場合は、警察やメーカーへ確認します。
また、映像に人が写っているだけで犯人と決めつけず、SNSなどで人物を特定・非難するために公開しないことも大切です。
家電や貴重品は特徴を説明できる記録を残す
写真・型番・製造番号をまとめる
我が家の準備で不足しているのは、家電や貴重品の写真、型番、製造番号の記録です。
大阪府大正警察署の被害届出の案内でも、被害品の特徴、品番、型番、製造番号が分かる書類などが挙げられています。
家庭で準備するなら、次の内容を分かる範囲でまとめます。
- 品名、メーカー、型番
- 製造番号など、個体を区別できる情報
- 色、傷、付属品などの特徴と写真
- 保証書や購入履歴の保管先
記録は第三者に公開せず、適切に管理してください。写真や書類をそろえるために、通報や相談を遅らせる必要はありません。
分からないことを推測で埋めない
被害に気づいた後は、「確認できたこと」「以前の記憶」「まだ分からないこと」を分けてメモします。被害品や時刻が後から判明した場合は、担当の警察署へ追加で伝えます。
記録が十分でなかったとしても、被害者に責任があるということではありません。手元にある情報から相談してください。
被害を疑ったときは記録より安全を優先する
- 安全な場所へ離れる:侵入者がいる可能性があるときは、室内を探したり相手を追ったりしません。
- 110番へ連絡する:侵入の形跡や被害に気づいたことを伝え、指示に従います。
- 現場をそのままにする:安全確認や警察の指示より先に、物を動かしたり片付けたりしません。
- 分かる情報を伝える:安全が確保されてから、日時、被害品、録画の有無などを整理します。
三鷹市も、被害時にはすぐに警察へ通報し、到着までは指示に従って現場の物に触れないよう案内しています。
緊急ではない防犯上の相談は、最寄りの警察署や警察相談専用電話「#9110」が窓口です。個別事件については、その事件を担当する警察署へ確認してください。
記録の準備と侵入を防ぐ対策を一緒に進める
カメラや記録の準備は、施錠などの基本的な対策と併せて考えます。設備があることだけで、被害を防げるとは限りません。
我が家では、まず現在のカメラを点検し、通知を確認する負担を見直したうえで、必要な対策を検討します。同時に、未作成の家電・貴重品の記録も進めたいと考えています。
家庭の点検では、次のように作業を分けると整理しやすくなります。
- 日常の行動:玄関や窓の施錠確認を続ける。
- 設備の点検:補助錠やカメラが現在の状態で使えるか確認する。
- 記録の準備:録画の保存方法と、被害品の特徴を説明する資料を確認する。
詳しい施錠確認の方法は、鍵のかけ忘れと空き巣の確率|施錠確認と家庭でできる防犯対策にまとめています。
この記事のまとめ
- 検挙率は、個別事件で犯人が捕まる確率ではありません。
- 映像や統計だけで、捜査の見通しを家庭で断定することはできません。
- 防犯カメラは、録画・日時・保存期間・取り出し方を分けて確認します。
- 我が家では録画状態などを確認していますが、貴重品の記録や通知の運用に課題が残っています。
- 被害を疑った場合は、撮影や映像確認より安全確保と通報を優先します。
家庭で進められるのは、犯人が捕まるかを予測することよりも、現在の備えを確認し、分かっている情報を説明できるようにしておくことです。
本記事の調査方針
犯罪統計の用語は警察・法務省の資料、通報と現場の扱いは警察・自治体の案内を確認しました。録画保存期間については、メーカーが示す機器・設定による違いも参考にしています。
家庭向けの点検項目は、これらの情報と我が家の確認内容を基に整理したものです。警察が定めた提出要件や、犯人の特定を保証する条件ではありません。
我が家の記録は、被害経験や捜査への協力実績とは区別して掲載しています。住宅の構造、防犯設備の詳細な位置、記録できていない場所は公開しません。
参考情報
- 長野県警察「長野県内の刑法犯認知・検挙状況用語説明」:認知件数、検挙件数、検挙人員、検挙率の定義。
- 法務省「令和7年版 犯罪白書」凡例:検挙率の計算と、前年以前の認知事件を含むことの説明。
- 大阪府警察・大正警察署「被害届出について」:被害品の特徴や型番、製造番号などの資料。届出時の具体的な対応は担当の警察署へ確認してください。
- 警察庁「ご意見、各種相談・情報提供等」:110番、#9110、個別事件の問い合わせ先。
- 三鷹市「空き巣被害にあわないために」:被害時の通報と現場の扱い。
- パナソニックEWネットワークス「防犯カメラ映像の保存期間はいつまで?」:記録容量、画質、録画方式などによる保存期間の違い。
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更新履歴
- 2026年10月21日:検挙率の説明を見直し、家庭での録画確認、被害品の記録、安全確保を中心に本文を再構成しました。参考情報と関連記事も整理しました。
