ドライブレコーダーの保存期間|データ消失を防ぐ完全ガイド | のいぼうラボ
ドライブレコーダーの保存期間|データ消失を防ぐ完全ガイド

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ドライブレコーダーの保存期間|データ消失を防ぐ完全ガイド

 

ドライブレコーダーの普及は、私たちのカーライフに大きな安心をもたらしました。

しかしその一方で、録画された映像の保存期間について、正確に理解している方は意外と少ないかもしれません。

そもそもドライブレコーダーって何ですか?という基本的な部分から、多くの方が抱く、データは何日で消えますか?という疑問の基本的な仕組み、そして予期せず映像が1日で消える主な原因まで、この記事で詳しく解説します。

 

また、1ヶ月前の映像を確認するための条件や、本体は何年くらい保存(使用)できますか?といった、より深い疑問にもお答えします。

大切な映像が上書きされないための設定と注意点、事故の瞬間に役立つイベント録画の保存期間は特別?なのか、そして万が一の際に重要な映像の具体的な保存方法録画履歴の見方と確認手順まで、保存期間を最長にするテクニックを網羅的にご紹介。

この記事を通じて、まとめとしてドライブレコーダーの保存期間で失敗しないために必要な知識のすべてをお伝えします。

 

この記事でわかること

記事のポイント

  • ドライブレコーダーの録画データが自動で消える基本的な仕組み
  • SDカードの容量や寿命が録画時間に与える影響と注意点
  • 事故やトラブル時に重要な映像データを守るための具体的な設定方法
  • 万が一の事態に備えた映像データの長期的な保存と管理のコツ

 

目次

ドライブレコーダーの保存期間が決まる仕組みとは

ドライブレコーダーの保存期間が決まる仕組みとは


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この章では、ドライブレコーダーの映像がなぜ消えるのか、その基本的な仕組みを詳しく解説します。

録画時間が決まる要因やSDカード、本体の寿命について知りたい方はぜひ参考にしてください。

 

ポイント

  • そもそもドライブレコーダーって何ですか?
  • データは何日で消えますか?基本的な仕組み
  • 映像が1日で消える主な原因を解説
  • 1ヶ月前の映像を確認するための条件
  • 本体は何年くらい保存(使用)できますか?

 

そもそもドライブレコーダーって何ですか?

そもそもドライブレコーダーって何ですか?


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ドライブレコーダーとは、車両に設置して走行中の映像や音声などを記録する車載装置のことです。

その主な目的は、万が一、交通事故が発生した際の状況を客観的な映像として記録することにあります。これにより、事故原因の究明や、当事者間の主張が食い違った場合の円滑な事後処理に大いに役立ちます。

映像という動かぬ「目撃者」がいることで、不当な要求や誤った証言からご自身の立場を守ることに繋がるのです。

 

しかし、その役割は事故記録だけに留まりません。

美しい風景の中を走るドライブの思い出を記録したり 🤳、駐車中の当て逃げや車上荒らしに対する防犯・抑止力として活用されたりすることもあります。

さらに、自身の運転を客観的に見返すことで、運転技術の向上や安全意識の再確認に役立てるドライバーも増えています。

 

このような多岐にわたる記録を可能にしているのが、カメラ本体に内蔵された複数のセンサーです。

衝撃を検知するGセンサーや、正確な位置・速度情報を記録するGPS、そして車内外の音声を拾うマイクなどが連携して動作します。

通常、車両のアクセサリーソケットやバッテリーから電源が供給され、エンジンの始動と同時に録画を開始し、SDカードなどの記録メディアに映像を保存していく仕組みです。

 

もともとはタクシーやトラックといった業務用車両での利用が中心でしたが、近年では「あおり運転」などの悪質な交通違反が社会問題として大きく取り上げられたことをきっかけに、一般のドライバーにも急速に普及しました。

現在では、前方を撮影する基本的なモデルのほか、後方や車内を同時に記録できる多カメラモデル、エンジン停止後も作動し駐車中の当て逃げなどを監視する機能を備えたモデルなど、多様な製品が登場し、ご自身のカーライフに合った一台を選べるようになっています。

 

このように、ドライブレコーダーは単なる記録装置ではなく、ドライバーの権利と安全を守り、時にはカーライフを豊かにするための重要なツールとして位置づけられています。 出典:Wikipedia ドライブレコーダー

 

ドライブレコーダー 前後2カメラ コムテック ZDR055 日本製

 

データは何日で消えますか?基本的な仕組み

データは何日で消えますか?基本的な仕組み


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ドライブレコーダーのデータが「何日で消えるか」という問いへの答えは、一律ではありません。その期間は、主に使用されているSDカードの容量と、設定されている録画の画質という2つの要素によって大きく変動します。

ほとんどのドライブレコーダーは、常に録画を続ける「常時録画(ループ録画)」という方式を採用しています。

これは、SDカードの容量が一杯になった際に録画が停止してしまうのを防ぎ、予期せぬ事故の瞬間を撮り逃さないための重要な仕組みです。

この方式では、SDカードの記憶領域がいっぱいになると、自動的に最も古いデータファイルから順に新しい映像を上書きすることで、絶え間なく録画を継続します。

 

したがって、「データが何日で消える」という明確な日数が固定されているわけではなく、ご自身の運転時間や機器の設定に大きく依存すると考えられます。

 

ただし、全てのデータが同じように上書きされるわけではない点には注意が必要です。

多くの機種では、衝撃を検知した際の「イベント録画」や「駐車監視録画」のデータは、常時録画とは別の保護されたフォルダに保存される仕組みになっています。

このため、事故の瞬間の重要な映像は、このループ上書きの影響を受けにくいよう配慮されています。

 

録画時間を左右する3つの要素

 

録画可能時間を具体的に決定づける主な要素は以下の3つです。

解像度(画質)

映像の鮮明さを決める要素です。HD(ハイビジョン)、FHD(フルハイビジョン)、4Kと解像度が高くなるほど映像は綺麗になりますが、その分データ量も飛躍的に増加します。

 

フレームレート(fps)

1秒間に記録する静止画の枚数(コマ数)を示します。数値が高いほど滑らかな映像になりますが、ファイルサイズも大きくなります。

一般的な30fpsに比べ、60fpsでは単純計算で2倍のデータ容量が必要です。

 

映像圧縮方式

ドライブレコーダーは録画データを圧縮して保存しています。

「H.264」や、より圧縮効率の高い「H.265」といった方式があり、どの技術が使われているかによっても保存できる時間が変わってきます。

 

これらの要素を踏まえ、一般的なフルHD画質の前後2カメラモデルの場合、SDカードの容量による録画時間の目安は以下のようになるとされています。

SDカード容量と録画時間の目安
SDカード容量一般的な録画可能時間の目安
16GB約1時間~1.5時間
32GB約2時間~3時間
64GB約4時間~6時間
128GB約8時間~12時間

※上記の時間はあくまで一般的な目安であり、製品の圧縮技術やフレームレート設定によって変動します。正確な時間は各製品の仕様をご確認ください。(出典:チューリッヒ保険会社 ドライブレコーダーのSDカード

 

このように、毎日1時間運転する方であれば、32GBのSDカードでは2〜3日前の映像は既に上書きされている可能性があります。

もし週末に長距離のドライブをした場合、その道中の映像は、翌週の通勤だけでほとんど消えてしまう、ということも十分に起こり得るのです。

 

ドライブレコーダー 前後2カメラ コムテック ZDR018

 

映像が1日で消える主な原因を解説

映像が1日で消える主な原因を解説


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「せっかくドライブレコーダーを付けたのに、映像が1日で消える」という状況は、単一の原因ではなく、いくつかの要因が複合的に関係していることが考えられます。

特に、録画されるデータ量が、SDカードが持つ容量の上限を短時間で超えてしまう場合にこの現象は起こります。

 

主な原因は「記録データ量の多さ」

記録されるデータ量が多くなる主な原因として、以下の4点が挙げられます。

SDカードの容量不足

最も一般的で直接的な原因は、SDカードの物理的な容量が小さいことです。前述の通り、SDカードの容量が少ないほど、データが上書きされるまでのサイクルは極端に短くなります。

特に、カー用品店などで安価に販売されているドライブレコーダーには、お試し用として8GBや16GBといった小容量のSDカードが付属している場合があります。

これらのカードでは、毎日の通勤など、ある程度の時間運転するだけで、1日も経たずにデータが上書きされてしまうケースも珍しくありません。

安心して映像を数日間は保持したい場合、少なくとも32GB、可能であれば64GB以上の容量を持つSDカードへの交換が推奨されます。

 

高すぎる画質設定(解像度)

もう一つの原因は、録画の画質設定です。近年のドライブレコーダーは4Kなどの高解像度で録画できるモデルも増えていますが、画質を高く設定すればするほど、生成されるデータファイルのサイズは大きくなります。

例えば、フルHD(約200万画素)と4K(約800万画素)では、理論上、4倍のデータ容量が必要となるため、録画可能時間も4分の1程度になる計算です。

4Kは非常に鮮明ですが、必ずしも全てのユーザーに必要とは限りません。

ナンバープレートの記録など実用性を保ちつつ、データ量とのバランスが取れたフルHD(FHD)設定が、一般的な利用ではおすすめです。

 

高いフレームレート設定

1秒間のコマ数を表す「フレームレート(fps)」もデータ量を左右する重要な要素です。

標準的な設定である27.5fpsや30fpsに比べ、60fpsなどの高い設定は、カクつきの少ない滑らかな映像になる反面、ファイルサイズが大きくなり、録画可能時間を圧迫する原因となります。

 

駐車監視機能の利用状況

駐車監視機能を長時間利用している場合も、予想以上に早くデータが消える一因です。

特に、人や車の通りが多い場所に駐車していると、動体検知が頻繁に作動して録画を繰り返し、知らず知らずのうちにSDカードの容量を大きく消費してしまいます。

 

もし映像がすぐに消えてしまう場合は、これらの原因が当てはまらないか確認し、ご自身の利用状況に合わせて「大容量のSDカードに交換する」「画質やフレームレートの設定を見直す」「駐車監視の感度を調整する」といった対策を講じることが有効と考えられます。

 

ドライブレコーダー 前後2カメラ ユピテル Y-116c

 

1ヶ月前の映像を確認するための条件

1ヶ月前の映像を確認するための条件


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ドライブレコーダーの映像を1ヶ月前まで遡って確認するためには、通常の常時録画(ループ録画)だけでは極めて難しいと言えます。

SDカードに記録されたデータは、日々の運転ですぐに上書きされてしまうため、長期的な映像保存にはユーザーによる意図的なアクションが必要不可欠です。

これを実現するには、主に以下の条件や工夫が求められます。

 

第一に、非常に大容量のSDカードを使用し、かつ運転時間が極端に短い場合です。

例えば、256GBといった大容量のカードを使い、週に1〜2時間程度しか運転しないのであれば、計算上は1ヶ月以上のデータが残る可能性はあります。

しかし、これはあまり現実的な使い方とは言えず、SDカードの長期的な信頼性を考えると推奨される方法ではありません。

 

最も確実なのは「定期的なバックアップ」

そこで、最も現実的で確実な方法となるのが、重要な映像データを定期的に別の場所に保存(バックアップ)することです。

バックアップのタイミング

「長距離を運転した後」「ヒヤリハットや事故を目撃した時」はもちろんのこと、「毎週日曜日」などとご自身でルールを決め、定期的にデータをPCなどに移す習慣をつけるのが理想的です。

 

具体的な保存手順

SDカードをドライブレコーダーから抜き取り、パソコンのSDカードスロットやカードリーダーに接続して、直接データをコピーする方法が基本です。

また、Wi-Fi機能搭載モデルであれば、スマートフォンの専用アプリから重要なファイルを選んでダウンロードすることも可能です。

ダウンロードした映像は、パソコンだけでなく、GoogleドライブやiCloudといったクラウドストレージにアップロードしておくと、どこからでもアクセスでき、データの安全性もより高まります。

 

新たな選択肢「通信型ドライブレコーダー」

近年では、LTEなどの通信機能を内蔵したドライブレコーダーも登場しています。

これらのモデルは、衝撃を検知した際の映像などを自動的にクラウドサーバーへアップロードする機能を持っています。

月額料金が発生する場合が多いですが、手動でのバックアップの手間をかけることなく、重要な映像を半自動的に長期保存できるという大きなメリットがあります。

 

要するに、1ヶ月という長期間のデータを確実に保持するためには、ドライブレコーダー本体の機能だけに頼るのではなく、ユーザー自身が「定期的にバックアップを取る」か、「クラウドサービスを利用する」といった能動的なデータ管理を行うことが絶対的な条件になるということです。

 

本体は何年くらい保存(使用)できますか?

本体は何年くらい保存(使用)できますか?


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ドライブレコーダー本体を何年くらい使用できるか、つまり機器の寿命については、メーカーの保証期間が一つの大きな目安となります。

一般的な家電製品と同様に、多くのモデルではメーカー保証が1年間と設定されています。

一方で、コムテックやユピテルなどのメーカーが提供する一部の上位モデルや信頼性を重視した製品では、3年間の長期保証を付けている場合もあります。 出典:Yupiteru よくあるご質問

 

ただし、保証期間を過ぎても直ちに使えなくなるわけではありません。

実際の寿命は、車の使用環境(駐車場所が屋外か屋内か、寒冷地か温暖地かなど)や、日々の運転時間によって大きく左右されます。

特に、真夏の炎天下の車内は80℃を超えることもあるため、電子機器であるドライブレコーダーにとっては非常に過酷な環境です。

このような高温状態は、内蔵バッテリーや電子部品の劣化を早め、寿命を縮める大きな原因となり得ます。

 

本体故障の具体的な兆候

お使いのドライブレコーダーに以下のような症状が見られる場合、本体の劣化や故障が近いサインかもしれません。

  • 頻繁にフリーズしたり、再起動を繰り返す
  • 電源が入らない、または起動途中で動作が止まる
  • エンジンをかける度に日時設定が初期化されてしまう(内蔵バッテリーの消耗)
  • 本体のプラスチック筐体が熱で変形したり、膨らんだりしている
  • レンズが白く曇ったようになり、録画した映像全体がぼやける

 

寿命に影響を与える主要な部品

ドライブレコーダー本体の寿命は、主に以下の部品の劣化によって決まります。

内蔵バッテリーまたはスーパーキャパシタ

電源が遮断された際に、録画中のファイルを安全に保存するために不可欠な部品です。

特にリチウムイオンバッテリーは熱に弱く、高温の車内に長期間置かれることで、2〜3年で性能が大きく低下することがあります。

近年では、耐熱性や耐久性に優れた「スーパーキャパシタ」を搭載したモデルが増えており、より長期間安定した動作が期待できます。

 

イメージセンサーとレンズ

映像を記録する心臓部ですが、これらも熱による影響を受けます。

また、安価なモデルに使用されているプラスチック製のレンズは、長年の紫外線や熱の影響で白く濁ったり(白濁)、変形したりすることがあり、画質の低下に直結します。

 

本体より先に寿命が来るSDカード

ここで特に注意したいのは、多くの場合、ドライブレコーダー本体よりも記録媒体であるSDカードの方が早く寿命を迎えるという点です。

SDカード内のメモリ(NANDフラッシュメモリ)には、データを書き換えられる回数に上限があります。

ドライブレコーダーは、このデータの書き込みと消去を絶えず繰り返すため、一般的な用途(デジタルカメラなど)に比べてSDカードの消耗が非常に激しいのです。

 

一般的に、SDカードの寿命は1年〜2年程度が目安とされており、これを過ぎると録画が正常に行えなくなる「書き込みエラー」が発生しやすくなります。

「SDカードエラー」という警告が表示されたり、録画ファイルが破損して再生できなくなったりした場合は、寿命が来たサインと考え、速やかに新しいものに交換する必要があります。

 

したがって、ドライブレコーダーを安定して長期間使用するためには、消耗品であるSDカードを定期的に交換するだけでなく、本体の動作に異常がないかを日頃から確認し、使用環境に応じた工夫をすることが大切です。

 

ドライブレコーダーの保存期間を延ばす具体的な方法

ドライブレコーダーの保存期間を延ばす具体的な方法


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この章では、重要な映像が上書きされるのを防ぐための設定や、録画時間を延ばすテクニックを解説します。

データを確実に保存・管理する具体的な方法を知りたい方は必見です。

 

ポイント

  • 上書きされないための設定と注意点
  • イベント録画の保存期間は特別?
  • 重要な映像の具体的な保存方法
  • 録画履歴の見方と確認手順
  • 保存期間を最長にするテクニック
  • まとめ:ドライブレコーダーの保存期間で失敗しないために

 

上書きされないための設定と注意点

上書きされないための設定と注意点


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ドライブレコーダーの映像が意図せず上書きされるのを防ぐためには、本体に搭載されている「録画保護機能(ロック機能)」を正しく理解し、適切に活用することが何よりも重要です。

この機能を使いこなすことが、万が一の際の貴重な証拠映像を守る鍵となります。

 

録画保護機能の仕組みと操作方法

ほとんどのドライブレコーダーには、録画中の特定のファイルを上書き対象から除外し、特別なフォルダに隔離・保存する機能が備わっています。この機能が作動するきっかけは、主に2種類あります。

1:自動保護(衝撃検知)

本体に内蔵された「Gセンサー(加速度センサー)」が、事故による衝突や急ブレーキ、急ハンドルといった通常ではない衝撃を検知した際に、自動的にその時点の録画ファイルを保護します。

 

2:手動保護

ドライバー自身が、本体にある手動の保護ボタンを押すことで、任意のタイミングの映像を保護できます。

 

手動操作用のボタンは、本体に「ロック(Lock)」や「イベント(Event)」と表記されていたり、鍵(🔓)や感嘆符(❗)のアイコンで示されたりしていることが一般的です。

事故には至らなかったものの、「ヒヤリ」とした場面や、他車の危険な運転を目撃した際など、後から確認したい映像があった場合は、速やかにこのボタンを押す習慣をつけることが大切です。

事故発生時は気が動転してしまい、操作を忘れがちですが、普段からボタンの位置を確認し、操作に慣れておくことが、いざという時に確実にデータを守る行動に繋がります。

この機能によって保護されたファイルは、SDカード内で「EVENT」や「RO(Read Only)」「PROTECT」といった名前の専用フォルダに保存され、常時録画のループ上書きから隔離される仕組みです。

 

保護フォルダの容量と上限に関する注意点

この保護フォルダの容量は、無限ではありません。

多くの製品では、SDカード全体の記憶領域のうち、20%〜30%など、あらかじめ決まった割合が保護フォルダ用に割り当てられています。

 

そのため、保護できるファイルの数や合計サイズには上限があり、この上限に達すると、それ以上新しいファイルを保護できなくなってしまうか、あるいは保護されたファイルの中で最も古いものから順に上書きされてしまう仕様になっている場合があります。

例えば、軽い衝撃でも検知するようGセンサーの感度を高く設定していると、意図せず保護ファイルが溜まっていき、本当に重要な事故映像が古いファイルとして上書きされてしまう、という事態も起こりかねません。

 

このような事態を防ぐため、不要になった保護ファイルは、定期的にパソコンなどで中身を確認し、手動で削除して空き容量を確保しておくことが推奨されます。 出典:COMTEC よくあるご質問

 

最も確実なデータ保全方法:SDカードの物理的な保管

事故の瞬間など、絶対に消したくない映像を100%確実に守るための最も確実な方法は、事故後速やかにSDカードをドライブレコーダー本体から抜き取り、物理的に保管することです。

事故の直後は警察への連絡や安全確保で慌ただしくなりますが、少し落ち着いた段階で以下の手順を踏むことを強くお勧めします。

  1. 安全な場所に車両を移動させた後、エンジンを停止し、ドライブレコーダーの電源を切ります。
  2. 念のため、再度手動の保護ボタンを押して、直前のファイルが保護されていることを確実にします。
  3. ドライブレコーダー本体からSDカードを静かに抜き取ります。
  4. 抜き取ったSDカードは、プラスチックケースなどに入れて財布や車検証入れなど、紛失しない安全な場所に保管します。

この一手間が、後の保険会社とのやり取りや、場合によっては裁判において、極めて重要な証拠を守ることに繋がるのです。

 

イベント録画の保存期間は特別?

イベント録画の保存期間は特別?


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はい、その通りです。イベント録画の保存期間は、日常的に上書きされ続ける常時録画とは明確に区別され、特別な扱いとなります。

ここで言う「イベント録画」とは、車両が一定以上の衝撃(衝突、急ブレーキ、急ハンドルなど)を検知した際に、ドライブレコーダーが自動的に記録する映像のことを指します。

 

イベント録画の仕組み:Gセンサーの感度設定

この自動記録の鍵を握るのが、本体に内蔵された「Gセンサー(加速度センサー)」です。

ほとんどのドライブレコーダーでは、このGセンサーの衝撃検知感度を「高・中・低」のように複数段階で調整できます。

 

感度を高く設定すれば、路面の大きな段差を乗り越えた際などでも録画が保護されるため撮り逃しが減る一方、意図しない録画が増えてイベントフォルダを早く圧迫してしまうデメリットがあります。

逆に感度が低いと、軽微な接触事故などを検知できない可能性も出てきます。

ご自身の車の特性や主に走行する道路環境に合わせて、適切な感度に設定しておくことが大切です。

 

記録される映像の内容:衝撃の前後を捉える

イベント録画ファイルが事故の証拠として非常に優れているのは、単に衝撃の瞬間だけを記録するわけではない点です。

多くのモデルでは、衝撃を検知した時点から遡って10~20秒程度、そして衝撃後の10~20秒程度を一つのファイルとしてまとめて保存します。

これにより、事故に至るまでの経緯(例:相手車両の急な割り込み)や、事故後の状況といった、原因究明に不可欠な文脈全体を映像で確認することが可能になります。

 

前述の録画保護機能と同様に、このようにして記録されたイベント録画ファイルは、常時録画用のデータが保存されるフォルダとは別の、専用の「イベント録画フォルダ」や「保護フォルダ」に保存されます。

このフォルダに保存されたデータは、常時録画のループによる上書きの対象外となります。

 

したがって、万が一事故に遭った場合、その瞬間の映像は自動的に保護され、SDカードの容量がいっぱいになっても基本的には消える心配は少ないと考えてよいでしょう。

 

ただし、この保護も万全ではありません。

イベント録画フォルダの容量にも上限が設けられています。

例えば、SDカード全体の容量のうち、20%〜30%をイベント録画用に割り当てるといった仕様になっている製品が多いようです。

この容量が一杯になると、イベント録画ファイルの中で最も古いものから順に上書きされていきます。

 

例えば、事故後にレッカー車で移動される際の振動、修理工場までの道のりでの段差、あるいは損傷状況を確認するためにドアやトランクを強く開閉した際の衝撃などでGセンサーが繰り返し作動し、新たなイベント録画が作成されてしまうと、肝心な事故の映像が想定より早く消えてしまう可能性もゼロではありません。

 

これらのリスクを完全に排除するためにも、事故に遭った際は、可能な限り早くSDカードを本体から抜き取り、データを物理的に保全することが最も確実な方法です。

 

重要な映像の具体的な保存方法

重要な映像の具体的な保存方法


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事故やトラブルの映像など、絶対に消したくない重要な映像がある場合、そのデータをドライブレコーダー本体やSDカードの中に入れたままにしておくのは非常に危険です。

SDカードの物理的な故障や紛失、あるいは操作ミスによる意図しない上書きなど、データを完全に失ってしまうリスクは常に存在します。

 

このリスクを回避し、貴重な証拠映像を確実に保存するためには、事故後できるだけ速やかに、別の記録媒体へデータをコピー(バックアップ)する作業が不可欠です。

 

最も基本的で確実な「パソコンへの保存」

最も一般的で、画質の劣化なく元データのまま保存できる確実な方法は、パソコンへデータを保存することです。

  1. 安全な場所でエンジンを停止させ、ドライブレコーダーからSDカードを抜き取ります。
  2. パソコンに搭載されているSDカードスロットか、市販のSDカードリーダーを使ってパソコンにSDカードを接続します。
  3. 外部ドライブとして認識されたSDカードを開き、録画データファイルを探します。多くの場合、「NORMAL(常時録画)」「EVENT(イベント録画)」「PARKING(駐車監視)」のようにフォルダが分かれていますので、まずは「EVENT」フォルダの中から該当するファイルを探しましょう。
  4. 見つけたファイルを、パソコンのハードディスクやデスクトップなど、分かりやすい場所へドラッグ&ドロップでコピーします。

ファイル名は、撮影日時が自動で記録されていることが多いですが、後から内容が一目で分かるように「20250702_〇〇交差点事故_相手車両ナンバー1234.mp4」のように変更しておくと、後の管理が非常にしやすくなります。

 

手軽でスピーディーな「スマートフォンへの保存」

Wi-Fi機能を搭載したドライブレコーダーであれば、スマートフォンとの連携が可能です。

これは、パソコンが手元にない場合や、事故現場で警察官や保険会社の担当者にすぐに映像を見せたい場合に非常に有効な方法です。

 

通常、ドライブレコーダー自身がWi-Fiアクセスポイントとなり、スマートフォンのWi-Fi設定で接続後、メーカー提供の専用アプリを立ち上げて操作します。

アプリを通じて、録画リストから必要な映像を選び、スマートフォン本体に直接ダウンロードできます。

 

手軽で便利な方法ですが、ファイルの転送速度はSDカードリーダー経由よりも遅くなる傾向があり、高画質な動画ファイルはスマートフォンのストレージ容量を大きく圧迫する可能性がある点には注意が必要です。

 

長期保管に適した「外部メディアやクラウドへの保存」

重要な映像データは、パソコン本体だけに保存するのではなく、さらに別の場所にもコピー(二重バックアップ)しておくことで、よりデータの安全性が高まります。

外付けHDD/SSD・USBメモリ

パソコンからさらに、外付けのハードディスク(HDD)やSSD、大容量のUSBメモリにデータをコピーしておけば、万が一パソコンが故障してしまったといった事態にも備えられます。

 

クラウドストレージ

ダウンロードした映像は、そのままGoogleドライブやDropbox、Microsoft OneDrive、iCloudといったクラウドストレージサービスにアップロードしておくのがおすすめです。

これにより、自宅のパソコンやハードディスクが災害などで物理的に破損してもデータを失う心配がなく、弁護士など関係者との映像共有もURLを送るだけでスムーズに行えます。

 

データ保全の考え方として、重要なデータは「3か所以上に、2種類以上の異なる媒体で、1つは離れた場所に保管する」というものがあります。

これを参考に、例えば「PC本体」「外付けHDD」「クラウド」の3か所にデータを分散して保存しておけば、ほぼ万全と言えるでしょう。

 

録画履歴の見方と確認手順

録画履歴の見方と確認手順


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ドライブレコーダーに記録された映像(録画履歴)を見る方法は、一つではありません。

主にお使いの製品のタイプによって異なり、それぞれにメリットとデメリットがあります。

状況に応じて最適な方法を選ぶことが大切です。

 

方法1:本体の液晶モニターで直接確認する

多くのドライブレコーダーには、本体の背面に2〜3インチ程度の液晶モニターが付いています。

本体にある「再生」や「MENU」といったボタンを操作して再生モードに切り替えることで、録画された映像をその場で手軽に確認することが可能です。

 

ファイルは通常、時系列でリスト表示され、「常時録画」「イベント録画」「駐車監視録画」など、フォルダごとに分かりやすく分類されている場合が多いです。

事故直後に現場で警察官と一緒に状況を確認したり、駐車中の当て逃げに気づいた際にすぐに映像をチェックしたりする際に便利な方法と言えます。

 

ただし、モニターの画面が小さいため、相手車両のナンバープレートの細かい文字を読み取ったり、詳細な状況を分析したりするには不向きな点も覚えておく必要があります。

 

方法2:パソコンの専用ビューアーソフトで詳細に確認する

より詳細な情報を客観的に確認したい場合は、パソコンで見る方法が最も適しています。

多くのメーカーは、自社製品用の専用ビューアーソフトを公式サイトのサポートページなどから無料で提供しています。

 

このソフトを使えば、パソコンの大きな画面で映像を再生できるため、細部までじっくりと確認できます。

さらに、GPS連動モデルの場合は、映像の再生と同期して、走行したルートをGoogleマップなどの地図上に表示したり、速度の変化や衝撃の強さ(Gセンサー)をグラフで視覚的に表示したりすることもできます。

事故の状況を客観的に分析する上で、これらは非常に有効な情報となります。

 

また、専用ソフトがなくても、映像ファイル自体(多くはMP4形式)は、Windows Media PlayerやVLCメディアプレーヤーといった一般的な動画再生ソフトで視聴可能です。

ただし、その場合はGPSなどの連携データは表示されません。

 

方法3:スマートフォンの専用アプリで手軽に確認する

前述の通り、Wi-Fi機能付きのモデルであれば、スマートフォンの専用アプリと連携して映像を確認できます。

ドライブレコーダーが発するWi-Fiにスマートフォンを接続し、専用アプリを起動することで、手元のスマートフォンで録画映像のストリーミング再生やダウンロードが可能です。

 

この方法の最大のメリットは、SDカードを抜き差しする手間がなく、いつでも手軽に映像をチェックできる点です。

必要な部分だけをスマートフォンにダウンロードして、すぐにSNSで共有したり、保険会社に送付したりすることもできます。

また、録画画質やGセンサーの感度など、ドライブレコーダー本体の設定をアプリ上から変更できるモデルも多く、非常に便利です。

 

最も重要!定期的な動作確認の手順

どの方法で映像を見るかにかかわらず、いざという時に「肝心な場面が録画されていなかった」という最悪の事態を避けるため、定期的に以下の点を確認する習慣をつけることが極めて大切です。

録画状態の確認

運転を開始した際、本体の録画中を示すランプ(赤色点灯など)や液晶画面のRECアイコンが正しく表示されているかを視認します。

 

日時の正確性

映像の証拠能力を担保する上で、日時の正確性は非常に重要です。

GPS非搭載モデルは、車両のバッテリー交換後などに設定がリセットされることがあるため、特に注意深く確認しましょう。

 

試し再生とレンズ清掃

月に一度はSDカードを抜き、パソコンなどで最近のファイルが音声も含めて問題なく再生できるかを確認します。

同時に、レンズの前に汚れやホコリが付着していないかもチェックし、綺麗な布で優しく拭き取ります。

 

この地道なチェックが、ドライブレコーダーを「ただの飾り」にせず、真の「お守り」として機能させることに繋がります。

 

保存期間を最長にするテクニック

保存期間を最長にするテクニック


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ドライブレコーダーの保存期間、つまり常時録画の映像が上書きされるまでの時間を物理的に最も長くするための方法は、単一の解決策ではなく、いくつかの要素を賢く組み合わせることで実現できます。

ハードウェアの選定から、日々の運用設定まで、総合的な工夫が鍵となります。

 

テクニック1:SDカードの選定と最適化

録画時間を左右する最も基本的な要素は、記録媒体であるSDカードそのものです。

最大対応容量を確認して導入する

最も直接的で効果的な方法は、お使いのドライブレコーダーが対応している最大容量のSDカードを利用することです。

製品によって対応するSDカードの最大容量は異なりますが、現在(2025年7月時点)では256GBや512GBといった大容量に対応したモデルも存在します。

SDカードの容量を大きくすることが、録画時間を延ばすための第一歩です。

ただし、ドライブレコーダーにはそれぞれ対応できるSDカード容量の上限が定められています。

仕様を確認せずに対応外の大容量カードを使用すると、カードを認識しなかったり、録画動作が不安定になったりする原因となります。

購入前には、必ず取扱説明書や公式サイトで最大対応容量を確認してください。

 

容量だけでなく「高耐久」モデルを選ぶ

容量だけでなく、カード自体の耐久性も極めて重要です。

ドライブレコーダー用の「高耐久(High Endurance)」と表記されたSDカードは、一般的なカードに比べて繰り返しの上書きに何倍も強く設計されています。

安価なだけの大容量カードを選んでしまうと、早い段階で書き込みエラーが発生し、結果として録画期間が短くなるどころか、重要なデータが記録されない事態に陥りかねません。

信頼できるメーカーの高耐久カードを選ぶことが、長期間安定して録画を続けるための鍵となります。

 

ケンウッド 高耐久3D NAND型 pSLC方式 microSDHCメモリーカード 32GB KNASD32D

 

テクニック2:録画設定のバランス調整

ハードウェアと並行して、ソフトウェア(本体設定)の最適化も重要です。

解像度とフレームレートの見直し

必ずしも常に最高画質で録画する必要がないのであれば、画質をフルHDからHDに一段階下げる、あるいはフレームレート(1秒あたりのコマ数)を少し下げる設定にすることで、データ容量を節約し、録画時間を延ばすことが可能です。

例えば、主に交通量の多い市街地を走行し、前後の車のナンバーを確実に記録したい場合はフルHD以上を維持するのが望ましいですが、景色の良い道を長時間走行することがメインであれば、少し画質を下げて録画時間を優先する、といった判断も有効です。

フレームレートも、証拠映像としては標準的な27.5fpsや30fpsで十分な場合が多く、むやみに高い設定にしないことがデータ節約に繋がります。

ただし、画質を下げすぎると、いざという時に相手のナンバープレートが読み取れないなどの弊害も考えられるため、ご自身の利用環境に合わせたバランスを見つけることが肝心です。

 

タイムラプス録画の活用

特に駐車監視機能において有効な方法で、1秒に1コマといったようにコマ送りの映像で記録することで、データ容量を大幅に圧縮し、長時間の監視を可能にします。

衝撃を検知した際には、通常のフレームレートの映像に切り替わる製品が多く、防犯目的での長時間録画に適したテクニックと言えます。製品によっては、このタイムラプス録画を通常の走行時にも設定できる場合があります。

 

テクニック3:ハードウェア(本体)の選択

より高度な方法として、ドライブレコーダー本体の機能で保存期間を延ばす選択肢もあります。

デュアルSDカードスロット搭載モデルを選ぶ

一部のハイエンドモデルや業務用モデルにはなりますが、SDカードスロットを2つ搭載したドライブレコーダーも存在します。

これにより、単純に録画時間を2倍にしたり、一方を常時録画用、もう一方をイベント録画専用として使い分けたりすることができ、データ管理の柔軟性と安全性が飛躍的に向上します。

 

これらのテクニック、つまり「適切なハードウェア(SDカード)の選定」と「利用状況に応じた録画設定の最適化」を組み合わせることで、常時録画における上書きまでのサイクルを可能な限り延ばし、より長く映像を保持することが可能になります。

 

まとめ:ドライブレコーダーの保存期間で失敗しないために

この記事で解説した、ドライブレコーダーの保存期間に関する重要なポイントを以下にまとめます。

 

記事のポイント まとめです

  • 録画データはSDカード容量がいっぱいになると古いものから上書きされる
  • 録画時間はSDカードの容量と画質設定によって決まる
  • 一般的な32GBのSDカードでは録画時間は2~3時間が目安
  • 映像が1日で消える原因はSDカードの容量不足や高画質設定
  • SDカードは消耗品であり寿命は1~2年が目安
  • 安定した録画のために月に一度程度のフォーマットが推奨される
  • 衝撃を検知したイベント録画は上書きされにくいフォルダに保存される
  • イベント録画フォルダも容量には上限がある
  • 重要な映像は必ずPCやクラウドにバックアップを取る
  • 事故の証拠映像は損害賠償請求の時効を考慮し最低でも5年は保管
  • 手動の録画保護(ロック)機能の操作に慣れておく
  • 大容量のSDカードを使用することが保存期間を延ばす基本
  • 駐車監視ではタイムラプス機能が長時間録画に有効
  • 定期的に録画データが正常に記録されているか確認する
  • 機器の保証期間と実際の寿命は異なることを理解する

 

【参考情報】

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