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防犯ブザーの逆効果とは?正しい使い方で防犯力UP

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防犯ブザーの逆効果とは?正しい使い方で防犯力UP

 

防犯ブザーを持つことは、もはや子供から大人まで、多くの人にとって当たり前の自己防衛策となりつつあります。

しかし、そのブザーが本当にあなたの安全を守り切れるか、深く考えたことはありますか。

この記事では、そもそも防犯ブザーが持つ3つの主な効果とは何か、そして失敗しないための目的別に見る防犯ブザーの選び方4つのポイントといった基本から解説します。

しかし、本題はここからです。

実は、使い方を誤ると犯罪者を逆上させるリスクや、鳴らしても助けが来ない「周囲の無関心」の壁といった、深刻な逆効果も存在します。

いざという時に慌てないための正しい使い方と日頃のメンテナンスはもちろんのこと、単に鳴らすから「見せる・意識させる」への発想転換や、鳴らした後の行動シミュレーションが命を守るという、一歩進んだ活用法を提案します。

さらに、防犯ブザーだけに頼らない「複合的防犯」のススメを通じて、この記事のまとめとして明日から実践できる防犯ブザー活用の鉄則までを網羅的にご紹介します。

この記事を読むことで理解が深まる4つのポイント

記事のポイント

  • 防犯ブザーの基本的な効果と自分に合った製品の選び方
  • 意外と知られていない防犯ブザーの逆効果とその心理的背景
  • 逆効果を乗り越え、防犯力を最大限に高めるための具体的な活用術
  • 防犯ブザーだけに頼らない、総合的な安全対策の考え方

 

知っておくべき防犯ブザーの基本と危険な逆効果

知っておくべき防犯ブザーの基本と危険な逆効果


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この章では、防犯ブザーが持つ基本的な効果と、ご自身の目的に合った失敗しない選び方を解説します。

さらに、多くの人が知らない「鳴らしても助けが来ない」といった危険な逆効果についても深掘りしますので、ブザーの本当の力を知りたい方は必見です。

ポイント

  • そもそも防犯ブザーが持つ3つの主な効果とは?
  • 失敗しない!目的別に見る防犯ブザーの選び方4つのポイント
  • 【逆効果①】鳴らしても助けが来ない「周囲の無関心」の壁
  • 【逆効果②】使い方を誤ると犯罪者を逆上させるリスク

 

そもそも防犯ブザーが持つ3つの主な効果とは?

そもそも防犯ブザーが持つ3つの主な効果とは?


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防犯ブザーは、単に大きな音を出すだけの装置ではありません。

多くの人がお守りのように携帯していますが、その真の力を理解することで、防犯効果は格段に高まります。

正しく使用されることで、主に3つの防犯効果を発揮すると考えられています。

 

第一に、最も直接的な効果は「威嚇と撃退」

犯罪者は、自身の行為が人目につかず、計画通りに進行することを好みます。

そのため、計画外の突発的な出来事、特に制御不能な大音量には極めて弱いのです。

突然、100デシベルを超えるような大きな音(電車が通る時のガード下や、自動車のクラクションを間近で聞くのと同等レベル)が鳴り響けば、犯人は強い驚きと聴覚への直接的な不快感から、心理的に大きく動揺します。

このパニック状態が、犯行を継続しようとする意思をくじき、その場から逃走させる強力なきっかけとなり得ます。

 

第二の効果は、周囲への「通知と協力要請」

ブザーの甲高い音は、周囲にいる人々に対して「ここで異常事態が発生している」という明確なサインを送ります。

製品によっては100メートル以上先にも音が届くため、直接見えない位置にいる人にも異常を知らせることが可能です。

これにより、近くの住民が窓から様子をうかがったり、通行人が警察に通報してくれたり、あるいは店員が駆けつけてくれたりといった、第三者からの協力が得られる可能性が生まれます。

たとえ直接的な助けが得られなくても、「何事か」と多くの視線がこちらに注がれる状況は、自分の顔や服装を記憶されるリスクを高めるため、犯罪者にとって大きなプレッシャーとなるのです。

 

第三に、副次的な効果として「犯人の特定につながる可能性」

ブザーの音で注目を集めることにより、「ブザーが鳴った直後に、〇〇色の服を着た男が△△方向に走っていった」というように、時間と行動が結びついた、より精度の高い目撃証言が得られやすくなります。

また、ブザーの音をきっかけに、周囲の車両のドライブレコーダーや店舗の防犯カメラが犯人の姿を捉えている可能性も高まります。

これらは、後の警察による捜査において、犯人を特定するための極めて重要な手がかりとなり得るのです。

これらのことから、防犯ブザーは単なる受動的な防御ツールではなく、危険が迫った際に状況の主導権を奪い返し、犯人にとって極めて不利な環境を作り出すための、能動的な反撃の第一歩となり得る有効なツールと言えます。

 

失敗しない!目的別に見る防犯ブザーの選び方4つのポイント

失敗しない!目的別に見る防犯ブザーの選び方4つのポイント


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防犯ブザーは多種多様な製品が販売されており、どれを選べば良いか迷うことも少なくありません。

通学中の小学生、夜道を歩く女性、高齢者の一人歩きなど、使う人やシチュエーションによって最適なブザーは異なります。

ここでは、購入後に「こんなはずではなかった」と後悔しないための、目的別の選び方のポイントを4つ、詳しく解説します。

 

1. 音量と音質

ブザーの生命線は、なんと言ってもその音量です。

一般的に、85デシベル以上が推奨されていますが、これは救急車のサイレンを20m前方で聞く音量に相当します。

より高い防犯効果を期待するなら、100デシベル以上の製品を選ぶと安心感が増します。

これは電車が通る時のガード下や、自動車のクラクションを間近で聞くレベルの音量であり、犯人に与える心理的衝撃や、周囲への伝わりやすさに直結します。

公益財団法人 全国防犯協会連合会では、優良防犯ブザーの推奨基準の一つとして、90デシベル以上の音量があることを定めています。

また、音質も重要な選択基準です。

単調なブザー音は、工事現場の音や店舗の警報など、他の環境音と紛れてしまい「また何かの音か」と聞き流されてしまう可能性があります。

しかし、人の叫び声が再生されたり、警察のサイレンに似た音が鳴ったりする製品は、より直接的に人々の注意を引きつけ、異常事態であることを瞬時に認識させやすいのです。

さらに、雨の日でも性能が落ちないよう、日常生活防水(IPX4程度)の防水性能もチェックしておくと、天候を問わず安心して使えます。

出典:公益財団法人 全国防犯協会連合会「優良防犯ブザー推奨基準」

 

2. 電源方式とバッテリー

いざという時に「電池切れだった」というのが最悪の事態です。そうならないためにも、電源方式の特性を理解し、自分に合ったものを選ぶことが大切です。

電源方式は、主に「電池式」と「充電式」があります。電池式は、単4電池やボタン電池(LR44など)を使用するものが主流で、電池が切れてもコンビニなどで簡単に入手できるのが最大のメリットです。

しかし、定期的な交換の手間とコストがかかる上、電池残量が分かりにくい製品が多いというデメリットもあります。

一方、充電式はUSBケーブルで手軽に充電でき、繰り返し使えるため経済的です。

最近ではスマートフォンの充電器と共用できるUSB Type-C対応モデルも増え、利便性が向上しています。

ただし、充電を忘れると全く使えなくなるため、日々の充電習慣が求められます。

自分のライフスタイルや管理のしやすさに合わせて選ぶことが大切ですが、どちらの方式を選ぶにせよ、バッテリー残量を知らせてくれるLEDインジケーター付きのモデルを選ぶと、格段に安心感が高まります。

 

3. 操作方法と形状

緊急時にはパニックになり、複雑な操作はできなくなると考えるべきです。

いざという時に迷わず、瞬時に使えるよう、操作がシンプルであることが絶対条件となります。

一般的には、ピンを引き抜くタイプと、ボタンを押すタイプがあります。

ピンを引き抜くタイプは、一度抜くと簡単には音が止まらないため、犯人にブザーを奪われて音を止められてしまうリスクが低いという大きな利点があります。

ただし、抜いたピンを紛失すると自分でも音を止められなくなるため、ピンが本体とストラップで繋がっている「抜けきらないタイプ」がおすすめです。

ボタン式は、押すだけで作動する手軽さがありますが、誤って押してしまう可能性も考慮しなくてはなりません。

子供が使う場合は、ある程度の力がないと作動しない製品や、スライド式のスイッチと組み合わせたものを選ぶといった配慮も必要になります。

形状も、キーホルダー型、ストラップ型、バッグ一体型など様々です。

キーホルダー型は手軽ですが、バッグの奥にあると意味がありません。

ストラップ型を手首に通したり、すぐに手が届く場所に取り付けたりと、自分の行動パターンを考えて最も早く操作できる形状を選びましょう。

 

防犯ブザー 130dB 大音量 LEDライト付き SOSライト Type-C充電 生活防水

 

4. 付加機能

最近の製品には、防犯効果を高めたり、日常の利便性を向上させたりする様々な付加機能が搭載されています。

例えば、暗い夜道を照らすLEDライト機能は、鍵穴を探したり足元を照らしたりするのに便利なだけでなく、点滅させることで相手の目をくらませる威嚇効果も期待できます。

また、GPS機能が搭載されたモデルは、ブザー作動時に家族のスマートフォンなどに現在位置を知らせるメッセージを自動で送信することができます。

これは特に、子供や高齢者の見守りとして非常に有効な機能です。

ただし、GPS機能付きモデルの多くは月額利用料がかかるため、購入時の本体価格だけでなく、長期的なランニングコストも考慮して検討する必要があります。

他にも、設定した時間になると音で知らせる「置き忘れ防止機能」や、周囲にだけ聞こえる微弱な音で痴漢などの迷惑行為を警告するモードを搭載したものもあります。

しかし、機能が増えれば価格も高くなり、バッテリー消費も早くなる傾向があるため、華やかな機能に惑わされず、自分にとって本当に必要な機能かを見極めることが肝心です。

 

表1:防犯ブザーの電源方式別比較
電源方式メリットデメリットおすすめな人
電池式・電池が切れても入手が容易
・比較的安価なモデルが多い
・定期的な電池交換が必要
・電池残量が分かりにくい
・管理の手間を厭わない人
・初期費用を抑えたい人
充電式・繰り返し使えて経済的
・電池残量表示があるモデルが多い
・充電を忘れると使えない
・充電環境がない場所では困る
・スマホなどと一緒に充電管理できる人
・ランニングコストを重視する人

 

【逆効果①】鳴らしても助けが来ない「周囲の無関心」の壁

【逆効果①】鳴らしても助けが来ない「周囲の無関心」の壁


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防犯ブザーを鳴らせば誰かが助けてくれる、と考えるのは自然なことです。

多くの人が「いざとなったらブザーを鳴らせば大丈夫」という一種の安心感を持っていますが、その期待が時として危険な過信につながることがあります。

残念ながら、ブザーが鳴っても周囲の人が適切に行動してくれるとは限りません。

これは決して、周りの人々が冷淡であるという単純な話ではなく、私たちの誰もが持つ、脳の防御機能ともいえる深層心理に根差した「正常性バイアス」と「傍観者効果」という二つの分厚い壁が関係しています。

 

正常性バイアス

予期しない異常事態に直面した際に、「たいしたことではない」「何かの間違いだろう」と、無意識のうちに事態を過小評価してしまう心理的な働きのことです。これは、頻繁に起こらない危機に対してその都度パニックに陥っていたら心が持たないため、ある種の「心の平穏を保つための防衛本能」とも言えます。例えば、街中でブザーの音が聞こえても、「子供のいたずらかな」「何かの警報の誤作動だろう」と判断し、自分には関係のないこととして処理してしまう傾向があります。特に、様々な電子音や警報音に溢れた現代の都市部では、一つのブザー音が「緊急事態のサイン」として認識されるハードルは、想像以上に高くなっているのです。

 

「傍観者効果」

周囲に人が多ければ多いほど、これは「誰かが助けるだろう」「自分が行動しなくても、もっと近くにいる人が対処してくれるはずだ」と、お互いが暗黙のうちに責任を他の人に転嫁してしまい、結果的に誰も行動を起こさないという事態に陥る現象です。

過去の様々な事件の検証からも、多くの人がいながら誰も助けの手を差し伸べなかったという事例は、残念ながら数多く報告されています。

この傍観者効果は、「もし自分が行動して勘違いだったら恥ずかしい」という他人の目を気にする気持ちによって、さらに助長されることもあります。

このように、防犯ブザーの音は、周囲の人々にとって「行動のきっかけ」にはなり得ますが、「行動の保証」にはなりません。

この厳しい現実を理解しておくことは、決して悲観的になるためではなく、むしろこの「壁」の存在を前提とした上で、「では、どうすればこの壁を乗り越え、助けを引き出しやすくなるのか」という、より実践的な次のステップへ進むために不可欠なのです。

防犯ブザーへの過度な依存を防ぎ、限界を知ることこそが、本当の意味で自分の身を守る防犯対策を考える上での第一歩となります。

 

【逆効果②】使い方を誤ると犯罪者を逆上させるリスク

【逆効果②】使い方を誤ると犯罪者を逆上させるリスク


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防犯ブザーが持つ撃退効果は強力な武器ですが、どんな武器も使い方を誤れば自分を傷つける「諸刃の剣」になり得ます。

その使い方を誤ると、かえって危険な状況を招く可能性があります。

これは、犯人を逆上させてしまうリスクがあるからです。

特に、犯人との物理的な距離が極めて近い状況では、そのリスクが顕在化しやすくなります。

犯罪に及ぼうとする者は、多くの場合、「捕まりたくない」という強い恐怖と、「目的を遂行したい」という欲求が入り混じった、心理的に極めて緊張し、興奮した状態にあります。

そのような状況で、至近距離から不意に大音量のブザーを鳴らされると、犯人はパニックに陥り、予測不能な行動に出ることがあります。

特に、袋小路やエレベーターの中など、逃げ場がないと判断した場合や、自分の犯行を隠そうとする焦りから、音を鳴らしている本人に対して、より強い暴力で押さえつけようとする可能性が考えられます。

パニック状態の犯人は、当初の目的以上に、ただ「音を止めること」自体が目的化してしまうのです。

例えば、犯人に腕を掴まれたり、体を抑えられたりしている状態で、相手の目の前でブザーを鳴らそうとする行為は、非常に危険を伴います。

すでに相手の支配下に置かれた状況で相手を刺激することは、反撃の引き金を自ら引くようなものです。

犯人にとってはブザーを鳴らす行為が「抵抗の意思」と明確に伝わり、それを力でねじ伏せようという思考に直結しやすくなります。

結果として、音の発生源であるブザーを奪おうとしたり、鳴らさせまいとしてより攻撃的になったりするかもしれません。

もちろん、これはブザーを使うべきではないという意味ではありません。

大切なのは、ブザーを「鳴らすタイミング」と「鳴らした後の行動」です。

理想的なのは、犯人がまだこちらに気づいていないか、あるいは数メートルの距離を保っている段階で、相手が「声をかける」「手を伸ばす」といった予備動作に入る瞬間に鳴らして意表を突くことです。

そして最も重要なのは、ブザーを鳴らすことと逃げることを、一連の動作として体に覚えさせておくこと。

「鳴らす→即座に逃げる」、この2ステップに思考の隙間があってはなりません。

ブザーは犯人を打ち負かすための攻撃兵器ではなく、あくまで自分が安全を確保するための「時間稼ぎ」と「きっかけ作り」の道具であると認識することが肝心です。

犯人を過度に刺激しすぎるような使い方は避け、相手の五感を麻痺させて安全な距離を確保するという目的意識を持つことが、逆上リスクを最小限に抑える鍵と言えるでしょう。

 

逆効果を力に!防犯ブザーの防御力を最大化する活用術

逆効果を力に!防犯ブザーの防御力を最大化する活用術


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この章では、前章で解説した逆効果を踏まえ、防犯ブザーの防御力を最大化する具体的な活用術を解説します。

日頃のメンテナンスから、鳴らした後の行動計画、そして防犯ブザーだけに頼らない複合的な対策まで、ブザーを真の護身具にするための知識をお伝えします。

ポイント

  • いざという時に慌てない!正しい使い方と日頃のメンテナンス
  • 「鳴らす」から「見せる・意識させる」への発想転換
  • 鳴らした後の行動シミュレーションが命を守る
  • 防犯ブザーだけに頼らない「複合的防犯」のススメ
  • 【記事のまとめ】明日から実践できる防犯ブザー活用の鉄則

 

いざという時に慌てない!正しい使い方と日頃のメンテナンス

いざという時に慌てない!正しい使い方と日頃のメンテナンス


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防犯ブザーは、いざという時に100%の性能を発揮できなければ意味がありません。

人間は極度の緊張状態に陥ると、普段なら簡単にできるはずの動作さえできなくなることがあります。

そのパニック状態を防ぎ、ブザーを真の護身具とするためには、正しい使い方を体に覚え込ませ、日頃から適切なメンテナンスを心がけることが不可欠です。

まず、ブザーの携帯場所が非常に大切です。

バッグの奥底にしまい込んでいては、危険が迫った時に素早く取り出すことはできません。

すぐに手が届く、バッグの外ポケットやストラップ、あるいはズボンのベルトフックなど、定位置を決めておくのが基本です。

利き手とは逆の側に付けると、利き手で相手を振り払ったり荷物を守ったりしながら、もう一方の手でブザーを操作するといった、より実践的な動きも可能になります。

そして、携帯場所を決めたら、そこからブザーを手に取り、ピンを抜く(またはボタンを押す)までの一連の動作を、実際に何度か練習してみることが極めて有効です。

目をつぶっていてもできるくらいに体に覚え込ませることで、パニック状態でも反射的に行動できるようになります。

取り出す動作そのものが、犯人に対する「私は抵抗する意思がある」という牽制にもなり得るのです。

次に、これらの準備を無駄にしないため、定期的なメンテナンスを習慣化することが求められます。

特に重要なのがバッテリーのチェックです。

月に一度は必ずテストで鳴らしてみて、ただ音が出るかだけでなく、新品の時と比べて音の「ハリ」や「大きさ」が衰えていないかを意識して確認しましょう。

少しでも弱々しく感じたら、ためらわずに交換するのが賢明です。

電池式の場合は、メーカーが推奨する交換時期を守り、予備の電池を用意しておくと、より安心感が増します。

また、ピンがホコリなどで詰まらずスムーズに抜けるか、ストラップの付け根が擦り切れていないか、本体にヒビが入っていないかといった外観のチェックも、安全性を維持する上で大切な作業です。

雨に濡れた後は、内部の腐食を防ぐためにしっかりと乾燥させることも忘れてはなりません。

このように言うと面倒に感じるかもしれませんが、これらのメンテナンスは、自分の命を守るための「保険」のようなものです。

自動車の任意保険や火災保険と同じように、この備えがあるという安心感が、日々の生活における心の余裕を生み出し、ひいては危険な状況でも冷静さを失わない強さにつながるのです。

「毎月1日はブザーの日」と決めるなど、生活のルーティンに組み込んでしまうことをお勧めします。

 

「鳴らす」から「見せる・意識させる」への発想転換

「鳴らす」から「見せる・意識させる」への発想転換


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防犯ブザーの価値は、緊急時に「鳴らす」ことだけにあるわけではありません。

多くの人がブザーを「最終手段」として捉えがちですが、それではその能力の半分しか活用できていません。

最も優れた防犯とは、そもそも危険な状況を「発生させない」ことであり、そのために日常的に「見せる」という行為が極めて有効な戦略となります。

予防的な効果こそが、防犯ブザーが持つもう一つの大きな力なのです。

多くの犯罪者は、犯行に及ぶ前にターゲットを入念に観察し、「攻撃しやすそうか」「周囲に気づかれるリスクは低いか」を判断しています。

犯罪心理学の研究では、犯人は「脆弱性(Vulnerability)」のサインを発している人物を狙うことが指摘されています。

例えば、歩きスマホをしていて注意が散漫な人や、不安そうに周囲をうかがう人などが、格好のターゲットになりやすいのです。

その際、目に見える形で防犯ブザーを携帯している人は、これらの脆弱性のサインとは真逆の、「この人は防犯意識が高い」「私は準備している」という非言語的なメッセージを発信します。

犯人からすれば、「下手に手を出したらすぐに通報されるかもしれない」「抵抗されて面倒なことになるかもしれない」という明確なリスクを感じ取ります。

犯罪者は無用なリスクを冒すことを極端に嫌うため、わざわざ警戒心の強い相手を選ぶよりも、他にいくらでもいる無防備に見える人を次のターゲットに選ぶ方が、はるかに合理的です。

このため、防犯ブザーはデザイン性のあるアクセサリーのように、あえて人目につく場所につけることが推奨されます。

小学生のランドセルの肩ベルトや、通勤バッグの持ち手、夜間のランニング時に使うアームバンドなど、自分の生活スタイルの中で最も相手の視界に入りやすい場所を意識することが大切です。

この「見せる」携帯方法は、前述の「いざという時にすぐに手が届く」という条件も同時に満たしており、抑止と実用の両面で理にかなっています。

これは、家に「警備会社ステッカー」を貼るのと同じ心理的効果です。

空き巣が、ステッカーのある家とない家が並んでいれば、まず間違いなくない家を選ぶように、路上での犯罪においても同じ選択が行われると考えられます。

ステッカーの存在そのものが、侵入を試みる前に犯行を断念させる強力な抑止力となるのです。

このように、防犯ブザーを「バッグの奥にしまい込む、いざという時のお守り」から、「常に見せることで危険を遠ざける盾」へと発想を転換させることが、その価値を最大限に引き出す鍵となります。

毎朝カバンにブザーを取り付けるという何気ない行為そのものが、その日一日の安全を高める積極的な防犯活動になっているのです。

 

鳴らした後の行動シミュレーションが命を守る

鳴らした後の行動シミュレーションが命を守る


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もし実際に危険な状況に遭遇し、防犯ブザーを鳴らした場合、その後の数秒間の行動が、あなたの安全を確保できるかどうかの決定的な分岐点となる可能性があります。

ブザーを鳴らすことに成功しても、恐怖でその場に立ち尽くしてしまっては、犯人に体勢を立て直す時間や、反撃の機会を与えてしまいます。

したがって、事前に「鳴らした後にどう行動するか」という一連の流れを、具体的な行動計画としてシミュレーションしておくことが極めて大切です。

これは、アスリートが試合で最高のパフォーマンスを発揮するために反復練習を行うのと同じで、防犯においても「もしも」の事態を想定した訓練が、自分自身の命を守る上で決定的な差を生むのです。

まず、ブザーを鳴らすことと、その場から「逃げる」という行動を、完全に一つのセットとして考える必要があります。

ブザーの役割は、あくまでその大音量で犯人の注意を引き、一瞬の思考停止や混乱状態を作り出すことです。

その貴重な数秒の隙を利用して、全力でその場から離れなくてはなりません。

逃げる際は、犯人が現れた方向とは逆、つまり自分が今来た道を引き返すのが基本です。

なぜなら、そこは自分が一度通ってきた、比較的安全が確認されているルートだからです。

見知らぬ路地裏などに逃げ込むのは、袋小路に迷い込むリスクがあり、避けるべきです。

次に、どこへ逃げるかをあらかじめ具体的に想定しておきます。

理想は、「こども110番の家」のような地域の避難場所や、明かりがついていて複数の従業員や客がいるコンビニエンスストア、24時間営業のスーパーマーケットなどです。

普段から通勤・通学路にあるこれらの「駆け込み場所」をいくつか頭に入れておくだけで、いざという時の行動が大きく変わってきます。

スマートフォンの地図アプリで、ルート上にある交番やコンビニに印を付けておくだけでも、安全意識は格段に高まります。

さらに、ブザーの音に加え、自分自身の「大声を出す」ことも非常に有効な手段です。

「火事だ!」と叫ぶと、自分自身にも被害が及ぶかもしれないという直接的な利害関係を周囲に感じさせ、窓から顔を出すなどの行動を強く促す効果があると言われています。

「助けて」という声よりも、具体的で切迫感のある言葉の方が、傍観者効果の壁を破り、周囲の人の注意を引きやすい場合があるのです。

ブザーの無機質な電子音に、人間の切迫した生の声が加わることで、周囲への警告効果は相乗的に高まります。

これらの行動を、ただ頭の中で考えるだけでなく、実際に少し体を動かしてシミュレーションしてみることも推奨されます。

繰り返しイメージトレーニングを行うことで、脳は一連の動きを記憶し、パニック状態でも体が自然に反応できるようになります。

防犯ブザーは、この一連の避難行動を成功させるための、いわば「号砲」です。

その号砲を鳴らした後に、計画通りに走り出す準備ができているか。その準備こそが、ブザーの価値を決定づけるのです。

 

防犯ブザーだけに頼らない「複合的防犯」のススメ

防犯ブザーだけに頼らない「複合的防犯」のススメ


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これまで見てきたように、防犯ブザーは万能の道具ではありません。

その効果を最大限に高め、自分自身の安全を確かなものにするためには、防犯ブザーをあくまで一つの要素とした「複合的な防犯対策」を、日々の生活の中で意識的に実践することが求められます。

言ってしまえば、防犯対策は城の防御に似ています。

一つの高い城壁だけに頼る城よりも、堀があり、石垣があり、そして見張り櫓がいくつも配置されている城の方がはるかに攻めにくいものです。

個人の防犯もこれと全く同じで、たった一つの道具に依存するのは極めて危険な考え方であり、複数の異なる種類の防御壁を何層にも重ねることで、全体の強度を高めるという考え方が基本となります。

例えば、まず「危険な場所に近づかない」という意識が、最も外側にある第一の防御壁となります。

これは「環境的防犯」と呼ばれるアプローチで、犯罪の機会そのものをなくしてしまう最も効果的な対策です。

夜間の暗い道や人通りの少ない路地を避け、遠回りでも明るく広い道を選ぶ、といった行動がこれにあたります。

エレベーターに一人で乗る際は壁を背にして操作パネルの前に立つ、駐車する際は管理人がいる場所や明るい場所を選ぶ、といった日々の小さな選択の積み重ねが、犯罪に巻き込まれる確率を大きく引き下げます。

第二に、「歩きスマホをしない」「イヤホンで音楽を聴かない」など、常に周囲の状況に注意を払い、隙を見せないことが挙げられます。

これは、視覚と聴覚という、危険を察知するための最も重要なセンサーを自ら塞がないという「行動的防犯」です。

背筋を伸ばし、まっすぐ前を見てしっかりとした足取りで歩くことも、犯人を寄せ付けない効果があります。

これにより、不審者の接近を早期に察知し、距離を取るなどの回避行動をとる時間的余裕が生まれます。

そして、これらの対策を講じた上で、第三の壁として、前述した「防犯ブザーを見せる」という抑止策が機能します。

これは、犯罪者に「私は警戒している」と伝える物理的な防御壁です。

これらの幾重もの壁を乗り越えてくる相手に対して、初めて「ブザーを鳴らして逃げる」という最終手段が発動されるのです。

さらに、家族や信頼できる友人とスマートフォンの位置情報共有アプリを利用したり、自治体や警察が提供する地域の危険情報を共有するメールサービスに登録したりすることも、有効な技術的対策の一つと言えるでしょう。

これらは、万が一の際に第三者が異変に気づき、安否確認や通報といった次のアクションを起こしやすくなる、強力なセーフティネットとなり得ます。

このように、様々な対策を組み合わせることで、どれか一つの対策が破られても、次の対策が機能するという、多層的な防御システムを構築できます。

防犯ブザーは、そのシステムを構成する重要なパーツの一つであり、他のパーツと連携して初めて真価を発揮すると言えます。

自分自身で防御の層を一枚一枚重ねていく意識を持つことこそ、現代社会を安全に生き抜くための最も賢明な姿勢と言えるでしょう。

 

【記事のまとめ】明日から実践できる防犯ブザー活用の鉄則

記事のポイント まとめです

  • 防犯ブザーの主な効果は「威嚇」「周囲への通知」「犯人特定の手がかり」の3つ
  • 選ぶ際は音量、電源方式、操作性、付加機能の4点をチェックする
  • 全国防犯協会連合会は90デシベル以上の音量を推奨している
  • 音が鳴っても周囲が無関心な「正常性バイアス」の壁を認識する
  • 犯人を逆上させないよう、鳴らすタイミングと距離感を考慮する
  • ブザーはいざという時にすぐ使える場所に携帯するのが基本
  • 月に一度は必ずテストし、バッテリーの状態を確認する
  • 緊急時に鳴らすだけでなく、日常的に「見せる」ことで抑止力として活用する
  • 防犯ブザーは「常に見せる盾」と発想を転換する
  • ブザーを鳴らした後は、すぐにその場から逃げることを徹底する
  • 事前にコンビニなど安全な避難場所を確認しておく
  • 「火事だ!」など、より人の注意を引く言葉で叫ぶことも有効な場合がある
  • ブザーだけに頼らず、危険な場所を避けるなど複数の対策を組み合わせる
  • 歩きスマホやイヤホンを避け、常に周囲を警戒する意識を持つ
  • 防犯ブザーは多層的な防犯システムを構成する重要な一部である

 

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